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しっかりとした、気持ちのいい雨。

今日の雨は気持ちが良かった。

…なんて言い方は変ですかね。だけど今日は私にとっては好きな天気で、珍しく夜に言葉にしたくなった。

今日の雨はね、しっかりと降っていた。
しとしととかぽつぽつではなく、かといって身の危険を感じるほどのドドドド…というのでもなく。ざぁぁぁあ、という音がぴったり。

水が傘を弾く音がしっかりきこえる。一粒が重くて、柄を握る手に雨粒の手ごたえが響く。傘の中は、自分だけの世界。私の傘が弾く雨音は、私にしかきこえない。こんな日は、イヤホンつけるのはもったいないなと思う。雨音をききながら鼻歌でも歌いたい。

それといちばん好きなのはね、レインブーツで水たまりを歩くこと。スニーカーなら入れないところを歩く。ちょっとの深さなら大丈夫。私の足跡の形に動く水と、バシャっという音。服に跳ねないように、気を付けて。

お気に入りのレインブーツは、小雨だと履いていくか迷いがちだけど、今日は朝に窓の外を見た瞬間に迷わず用意した。こういう余計な逡巡がいらないところも、今日の雨の気持ち良さ。

ホントは傘もささずに両手を広げて、全身に雨を浴びたい!…なんてことは思ったり思わなかったり。周りの目が気になるし、職場にずぶぬれで行くわけにいかないし、とかいう理性が勝ってやったことはない。後先考えなくていいならやってみたい。大人になるってややこしい。

雨だと靴が濡れるし、髪はぼさぼさになるし、雲に覆われて閉塞感もあって、不機嫌な一日になってしまいがちだ。今日だって同じ雨なのに、不思議なものだ。

きっと堂々と降っていたからだろう。今日は雨だぞ、文句は受け付けないぞ、と。
いかにも遠慮がちなヤツよりも、堂々と我を出してくるヤツの方が付き合っていて気持ちがいいのだ。

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