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初夏

初夏だ。
春なんてなかった。
冬と夏の狭間を行き来しているうちに初夏になってしまった。

昨日年間スケジュールを整理していて、思ったよりも過密でないことに気づいた。
それは私が用事をパッと切り捨てたり、慰労日を作ったりしているからこそのものだった。疲れってどこまでも続く。だからそこそこになるよう調整をすることが必要なのだと、最近わかってきた。
過密でないスケジュールについて、どうこうするわけでもない。これから仕事の都合で大変なことになるかもしれないし、ならないかもしれない。

最近になって仕事の重さを感じるようになってきた。
仕事を馬鹿にしていると言ったら誤解されると思うのだけれど、実際そうだったように思う。仕事が二の次で、趣味のことばかり考えていた。趣味の偉大さは語る必要はない。生きるためのビタミンのようなもので、とにかくそのために生きていくのだと思っていた。仕事はその次。身体もその次。
けれどそうはいかなくなってきた……と思う。管理職になったとかではなくて、単純に仕事についての向き合い方が変わったのだ。
仕事は面倒だし、やる気がないし、そこそこ楽しい日もあるけれどとりあえずはやりたくない。できれば趣味の一環として、副業のノリで(これも苦しくない程度に)お金を稼げたらいいのにと思わずにはいられない。
それでも、まあ上手くいかないから、仕事をしているわけで。いや、上手くいくのかもしれない。けれど私にはその方法がわからないから、どうにかこうにか工夫をこらしている。仕事が趣味に活かせればいいな〜だとか、これを乗り切れば趣味が満喫できる〜とか、これはもう、もっと早くに気付けと言うものばかりなのだけれど、齢幾許でようやく気付けた。
まあ仕事なんて好き好んでやっている人は殆どいないしな。

初夏になって思うというか、この前聞いてしまったのだけれど、ボーナスの季節だ、と言っている人がいて、気の速さに驚いた。
ボーナスって六月か七月に来るもんじゃないのか、と思っていたのでまあ、それを見越して……いやそれでも早くない? と思った。目先よりも少し遠くだ。けれど楽しみにしてしまう気持ちはよくわかる。私だってほんの少しだけれどもらえるし、ワクワクしてしまう。多分去年よりは額が増えているはず……だから。いや、増えていなかったらどうしよう。まあその時はその時だ。

初夏だ。
旅行に行きたい。

旅行に行きたいと書いたけれど旅行の予定があって、もう出発間近まで来ている。
旅行には原稿を持っていくのが普通になってしまったので(これは相当おかしな話だ)、今回は持っていかないことを心に誓っている。とりあえず本を……本を読みたい。読んでいない本がもう何十冊と積み上がっている。次を買うためにも読まなくてはいけない。
数時間の移動の間に何を読めるか、というのはかなり大きな問題だ。適切な分厚さの本を選ばないといけない。どのくらいの速さで読めるかわからなくなった読書老人にはその塩梅を見極めるのが難しい。とりあえず二冊ぐらい持っていこうかな、と思っているけれど、本当にそれでいいのかわからない。まあ、多分いける。薄いし。薄いってなんだ? 同人誌?
周りの人間は鈍器ばかり作るので、薄いの概念が壊されているのは言うまでもない。

初夏だ。
早くワンピースが着たい。

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