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【vol.58 毎日の地味な仕事や活動が価値あるものと気付く、自分軸を見つけるための2つの問い】


行動変容を見出すための問いについて

これまで、様々な問いを通じて新たな行動を見出してきました。「そもそも何のために行っているのか」という目的思考をしたり、「目的から考えると、本当にそのやり方はベストなのか」と健全に疑う思考をしたりすることも、過去に勉強しました。

そして、「与えられた目的を自分自身の目的にする」ということもやりましたよね。

そのあたりを思い出しつつ、今回のnoteを読んでもらえたらと思います。

自分軸を見つける問いは「究極」の目的思考

自分軸というのは、他人軸の逆側です。他人軸は他人から与えられた軸。
自分軸は、自分自身の本当の軸ということですね。

「自分軸は何なのか」これを考える問いということになります。

そのためには、「自分自身を俯瞰する問い」「客観的に上位から自分を見る問い」が必要です。これを「究極の目的思考」と言います。

「究極」というのは、最上位ということですよね。自分の生きざまとか天命とか、そういうところにまで繋がる最上位の問いが、この自分軸への問いになります。そのための質問・自問を2つ紹介しましょう。

自分軸を見つけるための問い①
期待:誰のどんな期待に応えたいのか

まず1つ目は、「期待」です。「誰のどんな期待に応えたいのか」ということですね。お仕事をされている皆さんにとっては、「この仕事を通じて、自分がどうしていきたいのか」を問うことにも関わります。自分自身の軸としてですよ。

事例をあげて説明しましょう。

例えば、「お客様には、いつも大きな期待をいただいて嬉しい。応えてもっと感謝されたい」という、お客様に対する感謝があります。

また、「会社から仕事のチャンスをもらってありがたい。何とか一人前と認められたい」まずは仕事を覚えて成果を出して、一人前のビジネスパーソンとして認められたい。こういう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そして、「この商品は社会に有益なものと惚れ込んでいる。もっと世の中に広めて活用して欲しい一心だ」という気持ちの人もいるでしょう。

「自分は誰のどんな期待に応えたいのか」ということを考えると、「この仕事を通じて自分がどうしていきたいのか」という自分軸が見えてきます。「誰の」というと他人のためのように見えますけれども、自分軸なんですね。これが1つ目の問いになります。

自分軸を見つけるための問い②
貢献:どんな社会問題に貢献しようとしているのか

そして、2つ目の問いが貢献です。これは、「どんな社会問題に貢献しようとしているのか?」と自分に問います。

これも事例を使って説明していきましょう。

例えば、エアコンを販売してる営業担当者。エリアと目標を決めて、エアコンを一生懸命販売してる営業担当者がいます。

この営業担当者に大きなニュースが飛び込んできました。「インフルエンザを検知できるセンサー」の開発のニュースです。
注:産総研さん(国立研究開発法人産業技術総合研究所)のホームページにウイルスを検知するセンサーが開発されたというニュースがあります。

そして、「その技術がエアコンに実装された」というニュースも飛び込んできました。その時、エアコン営業担当者はどんな社会的問題に貢献できると考えたでしょうか。

例えば、「老人ホームでの早期発見」ですね。免疫力が弱くなっているお年寄りの役に立つエアコンになるのではないでしょうか。

そして、「子供からの家庭内感染の予防」。子供がインフルエンザになった時に、お父さんお母さんも感染してしまうのは困りますよね。エアコンによって、家庭内の健康レベルが維持できるようになる。これも一つの貢献ではないでしょうか。

あと、「世界的な流行(パンデミック)の抑制」にも良い影響を及ぼせるかもしれません。

何が言いたいのかというと、「エアコンを売るという仕事」に何の意味があるのかを考えながらやることが、この営業担当者さんの自分軸につながるということです。非常に誇りを持って仕事をすることになるのではないでしょうか。

このように、「この仕事によって、自分の仕事によってどんな社会問題が解決されていくのか」ということを考えると、自分軸につながっていきます。

毎日の地味な活動は、社会問題の解決につながっている

社会問題というと、例えば「地球平和」とか「食糧問題の解決」といった本当に大きな大きな課題があります。最近SDGsなどということも言われていますけれども、このような大きすぎる社会問題にはとらわれ過ぎない方がいいと思います。

むしろ、人々がいろいろな仕事をしたり、いろいろなサービスをしたりしていること自体が、まさに社会貢献です。ビジネスパーソンは仕事をしてお給料をもらっている時点で税金を納めていますので、非常に大きな大切な、社会の一員としての役割を全うしていると言えます。

その上で、自分にとっての社会的な問題、自分の仕事が社会的にどのような問題に対して貢献できているのかを考えることは、自分の仕事の価値や意味を高めることにつながりますので、まさに「自分軸を見つけるため」にやってみてもらえたらなと思います。

「仕事の真の価値」を考えるということですよね。「地味な活動が大きな課題につながっている」と考えながら、仕事をするということが大事です。小さな出来事の中、できたことの中に、喜びの理由を見つけやすくなるのです。

皆さんは、「できたことノート」を実践されて毎日できたことを書いています。この「できたこと」は小さすぎていいんですか?とよく聞かれますけれども、小さいことだからいいんですね。小さいことの奥に、「本当の価値」が眠っています。「できたことの集積」は「価値観の集積」であることと、同じだと思います。

皆さんの仕事そのものが、日々の仕事そのものが、本当に価値のあるものだということを認識できるようになる。そのために、この自分軸を見つける「期待」「貢献」2つの問いに答えてみてください。

参考
科学的にラクして達成する技術 p.250
自分の「ありたい姿」は実は目の前にある