私はマイブックにチートをかます人間である。
2020年11月、マイブックを買った。
一日につき1ページが割り振られた白紙の文庫本で用途は様々。
日記にするもよし、小説を書いてみるもよし
罫線がないので簡単なイラストも描けそう。
2021年1月からページがスタートするので、それまでとくに計画を立てないまま寝かせておいた。
そして元旦の夜、ペンを握りしめ徐に本を開く。
その日はエステティシャンとしての仕事初めだった。施術後の希望に満ち満ちた気分のままペンを走らせながら、その日の印象深かった出来事をろ過して一言書いていこう、と方向性を決めた。
このページを開いた未来の自分に何かを問うてもいいし、誰に見せるもんじゃなし偏見たっぷりに決めつけたような事を書いてもいい。とにかくこれは私の一言コレクションだ。
そしてページを更新し始めて一週間、
私はチートをかましてしまった。
何も無かった日に備えてツイッターの下書きに一言ずつ作って保存し始めたのである。
ツイッターの下書き機能はこの為にあった気すらする。いやそこまでやったんならもうツイッターに投稿せぇよ。
心のノブが呆れている。(以下、4段落ほど茶番である。)
違うの、聞いて。毎日1ページ書くことに忠実でいたいの。
私がクソ真面目過ぎるが故に空っぽの日が怖くて、更新が途切れないように対策してただけであって。あなた(本)を騙してたわけじゃない。信じて欲しい、ただ良かれと思ってのことだった。
無駄な責任感だな。他所で発揮した方がいい。
そう言って彼(本)はその場から立ち去ろうとする。
ごめんね。これからはツイッターの下書きは本を開く時間が無かった日の為に使う。それを見ながら後で本に清書する。前もって対策なんかしないでちゃんと日々を噛み締めて言葉を紡ぐから!どうしても2021年を共に過したいの分かってほしい。
現在私と彼(本)はほどほどの距離感で上手くやっている。
マイブックを通してひとつ学習したこと、それは
何に対して誠実でいるかを見失わないことだ。
空白のページを作らないことに対してではなく、その日の出来事を一言にろ過しようと決めた自分に誠実でいること。
毎日事件が起こるわけじゃない。毎日が死ぬほどハッピーなわけでもない。毎日何かしらの教訓を見出すほど賢くもない。ただ淡々と過ごしたり、ベッドとトイレの往復しかしない日だってある。
薄っぺらい言葉になろうがその日の終わりに本にしたためてみる。
逆にもしかすると朝起きた瞬間に何か書きたいことが降ってきてすぐさま本に書き留める日もあるだろうし、それはそれで冴えた一日になるだろう。
こうして一年分の一言を詰め込んだ一冊ができた時、読み返して何を思うのか楽しみだ。
ちなみにこれがこの記事を執筆している2021年2月2日現在で最も内容が薄っぺらいページである。
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