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私のケアベアである夫

結婚して5年半。夫は付き合った当時と変わらず、いつも私を「ケアベア」のような瞳で見つめ、「ケアベア」のように守ってくれる。

「ケアベア」を知らないだと?ググってください。ウィキってください。

夫との出会いと夫のキャラ
夫との出会いは遡ること約20年前。地元大学の入試会場にて。
「K高の受験生にS田くんのバッタもんみたいな人がいる!!」と同大学を受験していたHちゃんと盛り上がっていた。S田くんとは高校時代一瞬だけ気になった人でしばらく「ベル友」をしていたことがあった。それにしてもバッタもんとは。言い方よ…

何を隠そう、そのバッタもんが現・夫なのである。
私、Hちゃん、夫は大学に合格。しばらくは同じ講義を受ける事になった。
2年生になると、同じ専攻だったHちゃんと夫は仲良くなった。同時に夫は結構な「ウザキャラ」だということも分かった。Hちゃんの話を聞く限り、本当にウザそうだった。でもキャラ的に憎めない感じであるのは読み取れた。

卒業するまでに、夫とは話をしたことはなかった。私は入試の日という早い段階で夫の存在を認識していたが、きっと夫は私の存在を認識していなかっただろう。卒業式では、袴を着てピースサインをする私の後ろにうっすらと夫がいるという奇跡の写真が撮れていた。

再び出会い…
大学卒業後、私は地元に就職。夫は大学院に進学し、関東に就職したということはHちゃんから聞いていた。当時は「ふーん」という感じだったが。

それから時は流れ、30歳を過ぎた頃。私は長年の恋愛迷走期を爆走していた。そんな中でのHちゃんの結婚報告。とても嬉しかった。嬉しすぎて、仲間を集めて「結婚式で何かサプライスをしよう!」という話になった。

当時の流行といえばAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」。これをHちゃんの周りの友達たちに踊ってもらい撮影、式の友人代表スピーチの中でサプライズで流そうということになった。Hちゃんの幼馴染、高校時代の友達、職場の方、ご両親、きょうだい夫婦にもご協力いただいた。
そこで、大学時代の友人への連絡は私が担当することに。しかし、Hちゃんが所属していた専攻にいた人の連絡先は1人も知らなかった。考えに考えた結果、一番とっつきやすそうで協力してくれそうな夫にFacebookを使って連絡を取ってみることにした。
話をしたこともないし、相手は私を認識していないであろうけど、ダメ元でFacebookから夫を探し出し、メッセージを送ってみた。意外と返信は早く来て、もちろん協力してくれると。専攻の皆の取りまとめ役も引き受けてくれた。

メッセージのやり取りはサプライズ作戦の事だけでなく、プライベートな事まで広がった。次第に、メール、LINEを交換するようになり、電話もするように。電話は毎回1時間以上はしていた。次第に、お互いがお互いを意識していることが分かってきた。


お付き合いが始まる
そして訪れたHちゃんの結婚式当日。夫も招待されていたため、卒業以来、約9年ぶりの再会であった。久しぶりに会った夫は年相応に歳を重ねていた。そして、初めて面と向かって会話をした。お互い照れて照れて照れまくりだった。2次会が終わって、2人で会う事に。結構お酒を飲んで酔っていることは目に見えて分かっていたが、しきりに「俺は酔っていない、俺は酔っていない」と発していた。そして、突然「す、すきですぅーーーー」と言われた。
それが私達の交際のはじまり。

夫は当時関東在住、私は夫と私の地元である地方在住。初めて関東に会いに行ったとき、ディズニーランドに連れて行ってくれた。地方の田舎者が彼氏とディズニーランドデートができるなんて、夢のような出来事だった。
楽しすぎて、楽しすぎて、ずーっと笑っていた。シンデレラ城の前ではこれでもかというほど写真を撮った。アトラクションをいかに並ばずに乗るか、全て夫がうまい具合に采配してくれた。
ディズニーランド近くで夕食をとったあと夫の家に帰り、お風呂から上がると、夫はディズニーランドで撮った写真や動画を一つの動画にまとめてくれていた。さらに、私がお土産を買っている間にこっそりと買ったであろうミニーちゃんのフォトフレームにツーショット写真を入れてプレゼントしてくれた。嬉しすぎて涙が止まらなかった。「こんなに男の人に優しくされた事ないー」と言ってワンワン泣いた。どんだけ辛い恋愛迷走期だったんだよ…


そして結婚
それからしばらくして、私が結構な、まあそこそこの圧力をかけた結果、夫が地元に帰ってきて就職してくれることが決まった。
そして、プロポーズもされていないのに結婚式場を仮予約してしまい、あわててその日にプロポーズされ、結婚が決まったのである。付き合って1年後、入籍。まさかあの「S田くんのバッタもん」が夫になったのである。


ケアベアな夫
それから5年半。子ども2人に恵まれ、皆健康に過ごしている。
「子どもができれば女性は人が変わる」とは良く言ったもので、「まさか私は」と思っていた私も大きく人が変わった。頭のてっぺんには常に「ツノ」が生えている。

夫の優しさは付き合った当初から変わらない。どんなに私がブチ切れようが、シカトしようが、じーっと私が落ち着くのを待ってくれる。確実に嫌な思いをしているだろう。それでも、私の機嫌が直るまでじっと待っている。私が夫と結婚した理由は「接しやすかった」からであるが、夫からしたら私はまさに「接し辛い妻」であろう。
それでもずっと私の事を好きでいてくれる(きっと)。スキンシップを取ろうとされることが嫌で「触らないで!ッカーーーー!!!!」と言ってもめげない。持ち前の「ウザさ」でどうにか私と接触を取ろうとする。「俺のこと好き?」と聞かれようもんなら「好きってわかってるでしょ!ッカーーーー!!!!」と返す。まさに可愛さゼロの妻である。
愛情に飢えているのか、今朝「野菜ジュースは必ず飲んで、必須。」というと、「体の事考えてくれてるんだね。キュンとした!」と、それだけで嬉しそうにしていた。

本当は、私も前みたいに甘えたいなって思う。たまに無性に抱きつきたくなる。ただ、子どもを産んだ母親が旦那ににゃんにゃん甘えるなんて…!って私の中の何かがそれを止めている気がする。わかるかな?この気持ち。

Hちゃんの結婚式で再会したとき、夫を見て目鼻立ちや顔の雰囲気が「ケアベア」に似てると思った。それは今でも変わらず。「子ども達が安心して成長できるように見守る」という売り文句の「ケアベア」。夫はまさにケアベアのように私が安心して生活できるようにいつも側で見守ってくれている。

愛情表現は下手だけど、私はずっと夫が好きだ。今日は勇気を出して、触れてみようか。


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