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四肢欠損
いまごろどうしてるんだろう・・・
50年近く前になりますが、親戚に男の子が生まれました。
母の兄の息子の子供。
ちょっと遠いですが、よくうちにも来ていたお兄ちゃん。
結構いい学校にも行って、社交的だし、結婚しても奥さんは綺麗な綺麗なかたでした。
仕事は何をしていたか?でしたが、いつもきれいな恰好して楽しそうでした。
母はいつも「あの子は」みたいに言ってて・・・
なんでだろうと思ってましたが、その後納得。
奥さんがホステスらしきことをして、お兄ちゃんは何をしているかは分かりませんでした。
二人で小倉でコパカバーナとかいう飲み屋だかキャバレーだかを開くとかで、借金して頑張っていました。
おかげでお店も成功して、生活はより派手になっていきました。
当時は「小倉」と聞くだけで「都会や」と思うような時代でした。
しかしながらだんだん商売に陰りが・・・
ほどなくして奥さんが妊娠。
お店は何とかしないといけないと頑張っていたようでしたが、結局借金こさえて閉店したようです。
そうして奥さんは出産されたのですが・・・
子供は四肢欠損でした。
常にたばこを夫婦で吹かし、酒を浴びるような生活。
とてもまともな生活ではなかったようですが、それが子供に悪影響とはあまり考えてなかったのでしょう。
両手も両足もどうなっていたか、見たと思うけど記憶無い。
赤ちゃんっていうのもあるけど、這いずって回って、きゃっきゃ遊んでいたけれど、大きくなった姿は見れませんでした。
それというのも、兄ちゃんと奥さんの姿を見ることが少なくなり。
奥さんは二人目を妊娠。
出産。
二人目は五体満足の女の子でした。
借金取りに追われているのか、うちに来てくれることも少なくなり、当時は珍しかった毛皮のコートや化粧の匂い、きれいな化粧を見ることができなくなりました。
そうして奥さんはお金が無くなるのが先か愛情が無くなったのが先かわかりませんが、逃げた、ような話でした。
子供二人、一人は四肢欠損、お兄ちゃんもどうしていいかわからないようで子供を置いて一人でどこかへ働きに行ったようでした。
子供は施設に預けられたのか、その後の行方はわかりませんでした。
しかし、10数年後、見知らぬ男性から電話が母にかかってきました。
「力ちゃんは僕が預かっています」
なんでも父親があまりにひどいので、血は繋がってないけれど、面倒は僕が見ています、と。
それはそれはありがとうございます、といったものの・・・
その実、国からの力ちゃんへの補助金?目当てに家に置いているだけのような話が漏れ聞こえてきました。
面倒見るなんていいこと言って実際はどうだかわからない・・・
そう母が漏らしていました。
しかし、なんでウチで引き取ってあげないんだろう?
当時不思議に思ってました。
母なりの考えがあったとは思うけど・・・
他の親戚には「困ったらうちにおいで、いつでも面倒見るよ」と言っていたのに・・・
力ちゃんのお姉ちゃんは一人で施設出た後は理容師となり、お勤めしながら結婚し、家庭を築いたと噂で聞きました。
隣の県だし、そう遠くないから行ってみたくもあるけど、今さらかな・・・
力ちゃんはどこにいるかわかりません。
お知り合いにもしお心当たりあれば教えてほしいです・・・
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