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旅の話.63 ブリンディジ

イタリアに到着

ギリシャのパトラから夜に出航したフェリーは、翌日の夕方にイタリアのブリンディジに着いた。
イタリア半島をよくブーツに例えるけど、それで言うと踵の下、ヒールの真ん中あたりだ。
ずっと行きたかったイタリアに、ついに来た。

この日はこの街に泊まろうと思っていて、YHの場所も確認していた。
次に行くナポリまでの切符を買おうと、先に鉄道の駅へ行ったら、今夜22時30分発の夜行列車を見つけた。これに乗っちゃうのもアリだ。
夜行列車は、移動中に窓から外の景色を楽しめないが、寝ている間に目的地に着くので、宿代が浮く。
ジョセフィンと相談して、乗る事にした。

ブリンディジ

夜まで時間はたっぷりある。
僕らは腹ペコだったので、まずは食事をした。
PIZZAマルゲリータ(5000リラ=330円程)と、スパゲッティ・ポモドーロ(5000リラ)を注文して、シェアした。2人だとこれができるから良い。
楽しみだった本場のPIZZAとパスタを、初めて食べた。
美味しかったけど、期待値が高過ぎたせいか、感動は意外と薄かった。
PIZZAは無理だけど、スパゲッティ・ポモドーロは自分で作った方がうまいと思った。

「髪を切ってよ」
と、突然ジョセフィンが言ってきた。
この頃、僕は自分で自分の髪を切っていた。最初はオーストラリアで経費節減の為に始めたが、手は器用なのですぐに慣れて、ハサミと櫛と鏡が2枚あれば、それなりに何とかなった。多少変でも、旅人だし、別にいいやと思っていた。他人の髪は切った事がなかった。
広場の端っこで、美容師でも何でもない僕が、スウェーデン人女性の髪を切る。面白いから引き受けた。

細くて綺麗な金色の髪だった。
めちゃめちゃ切りやすい。
お礼にアイスクリームをご馳走してくれた。

何の因果か、この数ヵ月後、もう一人別のスウェーデン人の髪を僕は切る事になる。その話もいずれ書くと思います。

つづく


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