旅の話.6 マタランカ
キャサリン渓谷でカヤックを楽しんだあと、再び長距離バスに乗って南へ。
“マタランカ”で途中下車した。
ここはオーストラリア中央部の、広大な赤土の砂漠の中のオアシスのような場所だ。温水が湧き出していて、周囲が森になっている。
森の中の遊歩道を歩くと、なぜか“フルーツ牛乳”のような、甘くていい匂いがした。遊歩道の先に、天然温水プールがあった。水温は丁度よく透明度が高いきれいな水だった。次のバスが来るまでの数時間、泳いだり森を散策したりした。
森の木には黒い生物がひしめき合っていて「ギャアギャア」鳴いていた。
よく見るとそれは、ものすごい数のオオコウモリだった。
そのオオコウモリは別名フルーツ・バットと言って、フルーツしか食べないのだそうだ。そしてこの森はトロピカルフルーツの森だった。
つまり、フルーツ牛乳の匂いの正体は、ものすごい数の大コウモリのフンが堆積して発酵して出来たものだったのだ。実に面白い。
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