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旅の話.5 キャサリン

約半年間過ごしたダーウィンを離れ、オーストラリア1周の旅に出た。

交通手段はバス。
グレイハウンド(通称グレハン)の長距離バスだ。
これに乗って街から街へと移動する。
「ラウンド」と呼ばれ、オーストラリアでワーキングホリデーをする人の多くが目的のひとつにしているみたいだ。

僕の予定は、正確には1周ではなく4分の3周くらい、ひらがなの「の」の字の右下4分の1を除くイメージ。ダーウィンから南下して、時計回りにぐるっと半周して、またダーウィンの近くへ戻って、そのまま東へ行けば最終目的地に設定したケアンズに着く。

その“ダーウィンの近く”の東西南北が交わる街がキャサリンだ。

近くに「キャサリン渓谷」がある。
雄大な渓谷と比べると、街は本当に小さくてのどかだ。
Kookaburra Lodge”と言うバックパッカーズに泊まった。
すごく明るく元気で小さくてかわいいおばちゃんがオーナーだ。

語学学校のクラスメイトだったHさんと一緒に来た。
さらにバックパッカーズで何人かの日本人の友達ができた。みんなラウンドの先輩達だ。これから行く街の事や、おすすめスポットなどを教えてもらった。

翌日みんなで一緒にキャサリン渓谷へ行った。
ほぼ全員の目的はカヤックだ。
川は乾季だからほぼ流れていないので、自分で行きたいところまで漕いで行って、漕いで帰って来るというシステムだ。
川の両側が岩壁だけど、ところどころ上陸ポイントがあるので、そこで休憩したり食事をしたりできる。サンドウィッチを作って行った。
地図を見て、それぞれの目標地点を決め、出艇した。

キャサリン渓谷
本当に穏やかな川で、瀬もないから転覆の心配もない。

僕は旅に出る前の2年間、大学生だった。
今はもうなくなってしまったが、その大学は東京都青梅市にあり、カヌーサークルがあった。奥多摩が近く自然豊かだったので、地の利を活かしたこのサークルに参加していた。御岳の激流を下った事もある。先輩方から基本的な操艇はみっちり教えていただいたので、不安はなかった。

目いっぱいカヤックを楽しんだ我々は、夕方街に戻り、みんなで近くのスーパー“WOOLWORTHS”へ買出しに行った。そして、それぞれ食料や飲み物を買って、バックパッカーズの部屋の前のリビングスペースで夕食をとり、ビールを飲みながら夜遅くまでいろんな話をした。

数ヵ月後、オーストラリアを半周し、再びこのバックパッカーズに泊まる日を楽しみに。


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