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医療現場で泣くこと

医療現場で泣くことはあるのか?それは許されるのか?

※注意※
evidenceを探しましたが、医療現場に関連したものは見当たりませんでした。もし知っている方がいれば教えていただきたいです。なお、今回は自分の不甲斐なさを痛感して悔しくて泣く、無力さで泣く、などを想定しています。遅刻して怒られて泣く、とかそんな話ではありません。

医療者は泣くの?

どんな理由であれ、どんな場面であれ、涙を流す医療者はいます。もちろん泣かない医療者もいます。この辺りは他の職業の方々も同様かもしれません。医師の場合、
 ・研修医の頃、患者の前では泣かない。
 ・泣きたいのは患者家族である。
 ・泣くのはプロフェッショナルに欠ける。
 ・冷静であるのが医師である。
という指導を受けることがあります(受けた記憶があります)。でも、どんなに感情をコントロールしていたとしても、涙が出てしまう場面はあります。

泣く理由は?

1.悔しさ
全力で医療をしているけど、良い結果につながらず悔しくて涙する。「救えなかった」と涙する。「もっと上手くできたのではないか」と自分の無力さを痛感して涙する。そんな悔しい気持ちに涙が出てしまう。

2.悲しさ
初めて担当した患者さんが亡くなったとき、長く闘病してきた患者さんが亡くなったとき、心が苦しくなって涙する。研修医が涙してしまう様子を見たことはあります。

3.嬉しさ
医療現場で、嬉しすぎて泣くことってあるのかしら?あまりそういう場面をみかけたことが無いです。

※医療現場で禁忌にふれそうになった時に叱られます。それは当然のことですよね。凹み過ぎて涙が出てしまうこともあるかもしれません。その場合は、しっかり反省しましょう。

泣いちゃダメな理由

職場で泣くことはNGである、というのが一般的な暗黙のルールだと思います。泣いちゃダメな理由は、『印象が悪い』からです。例えば、
 ・「泣けば許されると思ってるのか!」
 ・「感情コントロールができない!」
 ・「頼りにならない人だ!」
 ・「子どもっぽい人ね」
などと思われ、良い印象は与えません。

東洋経済ONLINEによれば、「できない男ほど泣く。できる男は感情をコントロールする」そうです。職場裏で泣く分には許されることが多いです。しかし、職場で泣かれると‘ドン引き’されます。極力、泣く場所はわきまえた方がいいでしょう。

泣いた時の対応

泣くことは悪いことではありません。涙が出るほど真剣に仕事に向き合っていることを示しています。心が敏感なのだと思います。もし、皆の前で涙が出てしまったらどうしたらいいか。

1.1人になる
皆の前で涙を見せたくて泣いてるのではありません。同情を求めているわけではありません。敏感な感情をもとに戻すのに時間が必要なのです。席を外して1人になれる場所に移動しましょう。

2.時間を気にする
実は周りも心配してます。(職場から嫌われてたら、話は別ですが。)短時間でサッと戻りましょう。できれば鏡を見て自分の顔を確認したいので、トイレなどがいいかも。スマホ持って小部屋で泣いて、スマホカメラで自分の顔を見てっていう方法もありますね。

3.周りの人に配慮する
何いえばいいか分からんこともある。「戻りました。すいません。」でもいいでしょう。「取り乱しました。今から大丈夫です。」でもいいでしょう。周りが欲している言葉なんてありません。いつもの状態で戻ってきてくれるだけで良いのです。いつも以上のやる気オーラ満載の状態で戻ってきてくれてもいいのです。

泣かない努力

職歴が長くなればなるほど、何かしら慣れるので、敏感だった感情も耐性が上がり涙をこらえることができるようです。それまでは、泣かない努力をする必要はあります。

1.悔しい涙なら自分を鍛える
日進月歩で進化する医学は全て学び修得することはできません。しかし、’無知は罪’です。(自分の無知で)悔しい思いをする前に、当たり前のことを当たり前のようにできるように日々研鑽しましょう。

2.精神状態を安定させる
眠気、疲労、イライラなどはできるだけ回復してください。ポケモンやドラクエではありませんが、精神異常を含めたステータス異常は、出来るだけ回復して仕事(≒戦場)に臨みましょう。

泣かれた時の対応

研修医(新人看護師ら)が泣いた場合はどうしたらよいのでしょうか。

1.早く気付いて声をかける(外へ誘導)
泣きそうな様子をできるだけ早くキャッチし、声をかけて外に出してあげてください。先輩の立場であれば、「少し休憩していい?」とあくまでも‘私’の都合で時間を取りたいと伝えると相手側も気が楽になると思います。休憩できそうにないときは、小声で「どうする?少し席、外しとく?」とか「ちょっと席を外して落ち着いてきておいで」と伝えてみるようにしています。

2.泣いたことの良し悪しは関係ない
泣いてしまったことに関して触れる必要はありません。本人が語りたい様子であれば、話を聞いてあげてください。

3.働けるかの確認とサポート
泣いてしまった本人は、現場に戻りにくいのは当然です。本人の性格にもよりますが、できるかぎりサポートしたいものです。「働けそう?」と声をかけるだけでも良いでしょう。難しい案件なら「一緒にしようか」とチームとして立ち向かう姿勢を見せることも良いでしょう。

最後に

医療現場でも涙が出てしまう出来事はあります。医療者も涙が出てしまうことはあります。できる限り現場で涙をしないような精神状態を維持しましょう。どうしても涙が出たときは、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。泣いた人のケアをする側は、本人を腫れもの扱いする必要はありませんが、いつも以上に気にかけてあげてください。

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