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才能が尽きた

夏に攫われたなら、僕はなんて羨ましいだろう。悔しいな。悔しいよ。涙が出てしまう今に。


僕は最近才能が尽きたらしい。悔しい事に。インプット不足、運動不足、精神薬の有無、色んな要因が考えられるが、唯一つ確かに言えるだろう事がある。

パトス、情熱が消えたのだ。


僕は今ストーリーを紡がなければいけない、でも何も浮かびやしない。


足りてる事も足りてないことも分からなくなって迷子になっている。きっと曇天でも睨み付けられた筈の慟哭がきっと消え去って成仏してしまったのかも知れない。怖くて確かめることも出来ない。

だから僕は孤独を選んだ。殺してくれ、辛いんだ、神さま、助けてください。無神論者の僕が苦しく叫ぶ、悔しい悔しい、血の溜まりから産まれた僕が、破瓜の痛みを持ってしても。


だからただ生きたい、生きていて良いよ、って僕が僕に免罪符を与えられるように、その準備をゆっくりと緩りと現世と結び付けて、死なない様に、飛ばないように、生きて翔ける様に、誰も泣かなくて済む様に、誰かは泣ける様に。生きていくことをお赦しください。

ごめんなさい、ありがとう。

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