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人生で一番尻を晒した日のことを話そう

毎日noteを更新し続けているせいで、大抵のことは記事に昇華すれば供養できることを学んだ。人生コンテンツ化。

今日の私のスケジュールをお話ししましょう

11時:献血。400mlの血液を代償にハンディ扇風機とかアイスをもらう

12時:近くのメキシコ料理屋で大好きなサルサとブリトーを食べる。おいしかった。

13時:帰宅。ちょっとだけのつもりが昼寝し過ぎて詰む。

17時:病院へ。どうやら痔だった模様。人生で最も多い人数にケツを晒し、初めて肛門に指を突っ込まれる体験をする。

さて、17時からの体験を書きましょう。

一生の恥がここで終わるのは逆に幸運と思うべきか、それともこれから先、さらに恥が現れるのか。今は前者であることを祈りつつ、お話ししましょう。

尻に違和感を覚えたのは昨日の夜。

寝ようと思って横になったら尻に明らかな異物感があり、恐る恐る触れると明らかなしこりがあり、違和感がありつつもとりあえず寝た。

そして今日は筋肉痛が残る下半身にさらに痛みを感じつつ、上半身には針を挿れ、400mlを誰かにあげた。

それからはさっき書いた通り。

そして話はここから始まる。

近くの病院に行った。

全員女性の受付のところで「今日はどうされました〜?」を聞かれる。

「エット…痔かもしれなくて…(小声)」

「あっはーい」

既に死にたくなった。肛門科をされているからこんな患者は山ほどいるだろうけど、違うそうじゃないとしか思えない。

置いてあったこち亀を読みつつ診察を待つ。もうさっさと診てくれ。あ、明日は晴れるのか。ありがてぇなぁ。明日オープンキャンパスのバイトやん。えっこれ自分も歩き回るの大丈夫???などと思いつつ待ち続ける。

処刑される偉人もこんな気分だったのだろうか。実際に死なないから自分の方が位は下だろうけど。

診察室に入り、話す。

「あぁ〜、じゃ、どれくらい進行してるか確認しようか。処置室行って〜」

(処置室?処置?今日処されんの?)

おどおどしながら移動し、座る。

「はい、じゃあ横になって脱いでください」

「脱ぐ?」

「脱ぐ」

「アッハイ…ズボンだけですか?」

「いえ、下着も…」

脱いだ。もう脱いだ。

そのまま横になり、タオルが上に被せられ、放置。

「じゃ、診ようか〜」

先生そんなさらっと言ってるけどその「イッッ痛っ!!」

「ここか〜」

(ここか〜じゃねんだわ痛ってえわ)

「じゃ、探るね〜」

「ンッ!?」

ノーモーションで尻に突っ込まれた指で触診され、「うーん?」だなんだを聞き続ける。

(先生何か言ってくれ。悪くても何かしら言ってくれ)

「うん。そんな悪いわけじゃないから大丈夫。メス。あと麻酔とかよろしく」

(メス???えっ切るん??)

「ちょっと切って膿を絞り出すよ。ちょっと痛いからまぁ、頑張って」

それからはもう人生初の体験が淡々と続いた。

3人に自分の尻を見られつつ、肛門を晒し続ける。恥は痛みに変わり、痛みは恥で上塗りされ続ける。

「はーい、ちょっとチクっとします」

「はいン痛っった」

(なんでこの病院は発言から実行までの時間がコンマ数秒やねんおかしいやろ)

ケツに注射をされるのがこれほどまでに痛いとは。午前中に刺した針とはまた違う痛みがある。

麻酔が効いていたからか分からないけれど、多分切られているし絞られているのは実感できた。

お母さん、もうお嫁に行けない。

そんなことを思いながら遠い目をしつつ、処置が進むのを待ち続ける。

全てが終焉り、まだまだ下着を履くことすら許されず、出血を止め続けるべく座る時間がやってきた。

エロ本よりも据わった目でただただタイマーを眺め続けた21歳の男性は、地球上で自分くらいしかあのタイミングにいなかっただろう。

やっと下半身に布を感じられたのは脱いでから40分後くらいだったのだろうか。もはや時間感覚すらもう分からなくなっていた。

説明を聞くと、尻周りの毛穴から発展するものだったらしい。

月曜日に絶対に来いと念押しされ、明日明後日を乗り切るための薬が支給された。

奇しくも同じnoteを書いている同期は明日からの2日間のバイトの配置が同じだった。もしこれを見ているのであれば、優しい顔をしながら見なかったことにしてほしい。見なかったことに、してほしい。

看護師さんが優しい顔をしてくれた。やめてくれ、今その顔は自分に効く。

どうやら生理用品が尻に優しいらしい。

そんあことを聞き、夕食後に恐る恐るナプキンを使ってみた。

何これ下半身に驚くほどの違和感。

確かにクッション性はあるけれど、世の女性はこれを毎月1週間は使っていたのかと考えると驚きを超えて申し訳なさが勝ってしまう。

生理休暇と生理手当をこの国は義務化しろ。よく聞く軽い重いに関係なく全女性に支給しろ。

そんなことを思いながら今こうして打ち込んでいる。

全ての女性に感謝を、そして汚ったねえ男のケツに迷わず手を突っ込んでくれたお医者様に感謝を。

そろそろ座り続けで尻が痛いので勘弁してください。

やろうとしていたことが毎回何かしらによって邪魔される。

尻が、尻が痛ぇよ。

ヘイSiriつってな!!!ガハハ!!!殺してくれ。頼む。

というわけで、また明日。

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