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問題集の答えを見るのは悪か?

小学生くらいだと、一番ティピカルな家庭学習として、とりあえず市販のドリルっぽいものをやるというがある。

大抵の場合、問題と解答集がセットになっているね。

後ろのほうに解答がまとまっていたり、最近は別冊になって切り離せるようになっているものが多いかな。

その解答集を、どう扱うか?っていうのが今回の話。

僕は、子ども自身が見て、上手に活用できるようになるのが理想だと思ってるんだ。

家庭学習の目的をはっきりさせよう

家庭学習をやる目的って、意外とはっきりしていないことが多い。

普通は「学力向上」のためじゃないの?と思うかもしれないが、そうでないこともある。

たとえば、低学年だと、短い時間でも毎日机に向かえるように「学習習慣を身につけましょう」なんてことが言われたりする。

内容云々ではなく、座る練習みたいなものだ。

今時は学校から毎日宿題が出されるわけだけど、実際の所、子ども達自身は何のためにやっているか。

これをやることで、少しずつ実力を付けているなんてことは1mmも考えていない。

子ども達が自分で考えている宿題の目的は、ヤレと言われたから、文句を言われないようにやっているだけだ。つまり、指定された問題なり、指示されたことをこなせば良いと思っている。

ここで改めて、家庭学習の目的は、「学力向上」だという前提で話を続けよう。

解答集の使い方

では、あの問題集の答えって、どうするのが良いか。

切り離して親が保管。
子どもは、問題を解いて、終わったら答え合わせ。
合ってる、間違ってる・・・はい、何点。

こういう家庭が多いような気がするんだけど、どうだろう?

幼児、または低学年くらいだと、それもいいんじゃないかな。
ただ、丸付けをしてそのあとの改善策が大事。

似たようなことは暗記の記事でも書いたので、興味がある人はこちら。

親の丸付け方式で家庭学習を進めていると時々耳にするのが、高学年になると「お母さんもう無理・・」っていう話。

そう。だんだん問題のレベルも上がって、親が自分で解けない問題になってくると、解答集と子どもの書いた答えが一致しているかどうか確認するのが精一杯となる。

どうして間違った?どうすればいい?という今後の改善対応が、親の理解度次第ということになれば、子どもの方が被害者である。

暗記の記事でも書いたけど、家庭学習はテストではない。

とりあえず答えを見ないでやってみるという試みは悪くないと思うのだけど、わからない所を飛ばしたり、間違いを放置したり、正解の数を確認するのは、「学力向上」においては意味が薄い。

それよりも、わからない所は早く解答を確認して、やり方を理解する方がはるかに効率が良い。

ズルして、丸写し?

多くの人が、こう考えるだろう。

子どもに答えを持たせてしまったら、ただ答えを丸写しするんじゃないか?
わからないから答えを見るだけでは、なんの勉強にもなっていないのでは?

子ども自身も、そうすれば楽だと、すぐに考えるのは確かだ。

そこで、家庭学習の目標や評価のポイントが問題になる。

「毎日2ページやる」なんていう目標は、典型的にダメな目標だ。
対応して「ちゃんと2ページやったね、エライね」というのはダメな褒めポイント。

そうなったとたんに、子どもの目的は勉強自体ではなくて、2ページの空欄を埋めることになってしまう。

そこに、解答集を持たせれば、端的に答えを見て写せば楽して終わるということになってしまうのは当然だ。

そうではなくて、その単元のキーになる基礎問題、そして総合的にとわれる応用問題をいくつかピックアップして、どうやって解いたのか?なぜ、そうなると思ったのか?聞いてみよう。

これで理解力が一発でわかる。

算数的に理解しているが、それを言葉で上手く説明できないということはあると思うのだけど、そこは親なら汲み取ってあげられると思う。

とにかく、理解したのか、自分なりに解決出来たのかということが重要だ。

だから褒めてあげるポイントは、何ページやったかの成果物ではなくて、「よくそこに気付いたね!」「なるほど、工夫して解いたね。」と理解したことに対して触れてあげるべきである。

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逆に、答えは合ってるんだけど、定型通りにやっているからたまたま答えが一致しただけで、理解していないということもある。

それじゃあ、やった意味が無いということも、様子をみながら伝えている必要はあるように思う。(頭ごなしにムダって言っちゃうとまた、アレでね・・)

分からないときは、大いに解答集を子ども自身が読んで確認するといい。
解答集を見て空欄を埋めたことは、当然なにも偉くない。

解答集を読んだ結果、「なぜ、そうなったのか?」改めて聞いてみよう。

まとめ

当然ながら家庭学習の一番の目的は学力向上のためにやっている。
解答集は、親が見せないように保管という方法もあるかもしれないけど、理想的には、子ども自身が自分で上手に活用できることだ。

AIが人類の頭脳を越えて、AI自身がより高度なAIを開発し始めるという、いわゆるシンギュラリティ(技術的特異点)が本当に来るのか?という未来は、専門家でも意見が分かれている。

しかし、いつの間にか親の手を借りること無く勉強し、親を越えていくというポイントは必ずある。「育児的特異点」とでも、呼んでおこうか。

解答を自分で使いこなすことは、その第一歩である。

学校での評価はどうしても成果物に重きを置かれてしまうので、家庭では、「何ページやったか」ではなく、どれだけ力を付けたかという本質的なところで見てあげたいものだ。

ちなみに、我が家でよく使っているシリーズはこちら。
全学年毎年買っている。

国語とは別に、読解力というのがあって、これが面白い。
指定学年にとっては結構ハードな読解力がなければ自力で正解するのは難しいと思うが、それこそ、解答を参照しながら納得していくという材料としてはとてもいい。


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