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「花まつり」で気づいたこと

4月8日は、お釈迦さまの誕生日。

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全国的に、(いや、世界的かも)みんなストレスをためて、なんとなくイライラしたり、不安定だったりしないかな。

うちの場合、たぶん家の中が並外れて充実していると自負している。
家族5人仲良く、色んなことが経験できるようになっている。

なので、この自粛ムード自体は、それほど堪えないというか、さほど普段と違う暮らしをしているわけではない。

それでも、ここまで長期化してくると、なんとなく子ども達も気が立っているような気はしていた。

「お寺に行くよ!」と子ども達に声を掛けたことで、盛り上がっていたゲームを中断することになって、少々不満そうだった。

花まつり

お釈迦さまが生まれたと言い伝えられている4月8日の法要は、灌仏会とか、降誕会とか、他にも色々呼び方がある。

僕ら庶民が一番親しみやすい呼び方は「花まつり」

お釈迦様生まれてすぐに7歩あるき、天地を指さして「天上天下唯我独尊」と仰った。この時のお姿である小さな仏像に、甘茶を掛けるというのが、この花まつりのお参りの仕方だ。

日本は中国暦からとって4月8日としているけど、国によっては、解釈がちがう。

そういえば、クリスマスも、イエス・キリストの誕生日かとおもったら、本当のところはわからないんだったっけ。

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うちでは、毎年、市内の眞願寺様というお寺にお参りに行く。

山門のところに、このお釈迦様の像が安置される花御堂(はなみどう)が設置されおり、道行く市民が自由にお参りできるようになっている。

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今年は春から新型コロナの影響で、何もかも中止になっているのはお寺も例外ではない。

この、花御堂の設置に関しては、屋外だということと、行列になるような事も無いので今年も実施されたのだろう。それでも、さすがに、お参りはとても少なかったそうだ。ひしゃくは不特定の人が触るということで、消毒スプレーが用意されていた。

例年なら、本堂でのお勤め、そして、甘茶の御接待もしてくださるので、住職さんや、すっかりお馴染みの法務員さんたち、お手伝いにきているみなさんと雑談しながら甘茶をごちそうになっていたけど、今年はすべて中止。

それでも、お参りしている僕ら家族に気づいて、みなさん外まで出てきてくださった。

夕食は精進料理で

正月のおせち料理やお彼岸のおはぎのように、花まつりだから特別なものを食べるという習慣は元々ない。

最近は、仏教と同じくインド由来でということでカレーを食べるとか、ホットケーキに掛けてお釈迦様をかたどった「ホトケーキ」を焼くなんていうのもSNSで流行っている。仏教行事をみんなで楽しく盛り上がれるのはとても良いことだと思うし、クリスマスにはとりあえずチキン買うくらいの感じで浸透して欲しいと本気で思う。

僕も、そもそもカレーおたくであり、超甘党であり、これに便乗しようとも考えたのだけど、実はどちらも頻繁に食べ過ぎて特別感がない。

それで、正統派とでもいうかな。久しぶりに、簡単に精進料理というのも良いかと思ったのだ。

だから、お寺に行く前に、花まつりを祝う赤飯を炊き、椎茸や昆布の出汁を取りながら出かけた。今日は、精進なので鰹節も使わない。

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本当は、お吸い物やおひたしなんかを考えていたのだけど、うどんがいいというリクエストがあり、急遽、汁物代わりに、うどんにした。赤飯もあるのでダブル炭水化物だけど、まあ、今日はいいだろう。おひたし用のほうれん草も、下ゆでして、うどんに乗せた。

あとは、豆乳ににがりを入れて、豆腐を仕込んでおいた。
シンプルに寄せ豆腐を醤油でいただく。

炊きたての赤飯なんて久しぶりで、とてもおいしかった。

ゲームは科学調味料

僕は料理を毎日する。昔は飲食店バイトも経験もあり、家庭の味と言うより、お店の味だ。

これは、腕前の自慢じゃなくて、悪い癖で、遠慮無く油や化学調味料を大量に使ってしまうのだ。あまり良いことだとは思っていないけど、一口目から「うまっ!」っていう味に、つい、したくなってしまう。

ナチュラルな出汁のなかでは、鰹だしというのはなかなか強烈だ。
ガッチリ味が出るので、和食の出汁としてはど定番となるが、魚の命を奪う鰹だしは精進料理では避ける。

今日は、椎茸と昆布からとった出汁の味を、じっくり探す。
変な言い方かもしれないけど、無意識でそういう食べ方になる。

丁寧に食べて、優しい味を「おいしいねぇ」とよろこびながら。

シンプルな食事だけど、それぞれの素材がとてもおいしく感じる。

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最近のゲームは昔と比べものにならないほどよくできていて、エキサイティングだ。確かに面白いんだけど、たまには静かにお寺参りをしてみるというのは、とても良い時間になる。

お寺参りのためにゲームを中断された子ども達は、不満そうに出かけたが、うどんをおかわりする頃には、少し穏やかになっていた。

そうだなぁ、やっぱりゲームは刺激が強すぎる。僕も若い頃にゲームはとてもはまったし、面白さはよく知っているから、やるなとは言わない。

でも、ゲームばかりで過ぎて行く人生は、化学調味料をバカスカ使った料理ばかり食べるような物かもしれないな。

時々、静かな時間をもって自分をリセットすることも大事だ。
味覚がおかしくなって、本当においしいものがわからなくならないように、時間も食事も丁寧に考えたいと思えた花まつりだった。

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