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本屋さんを目指して. 5 「本と商い ある日、を訪ねて」

本屋を目指す本屋のようなものをしています。
長々書きませんのでちょっとだけお付き合いを。

僕が今、一番住みたい場所「沖縄県うるま市勝連浜」になんと本屋があります。先日の天久さんのご好意で参加させて頂いた古書のセリにも参加されていて、そこでふたこと、みこと話をさせてもらえた「本と商い ある日、」の高橋和也さんを今回訪ねてみました。

その前に僕は愛知県阿久比町という自分のふるさとで、「本屋を目指す本屋のようなもの」をしていることは以前に書きましたが、そこで気になっていたのが「値段をどう書くか」です。
新書には売上スリップなるものが挟まっていますが、古書となると何もなく、阿久比では「ポストイットに手書き」。しかも値段だけを書いていました。
ある日、逆にお客さんの立場に立ってみたとき、「こんなのでは、店主のやる気の無さが伝わってしまう」と感じ、どうやってこちらの意識を値札で伝えられるかを考えるようになりました。お客さんが手に取った本、開いた本から「本以外の店の世界観」が欲しかったのです。それがないとAmazonにも負けるし、自分の本屋という場と繋がってもらえない。「店の意識を伝えなくては」と、思うようになりました。そして、高橋さんの本屋にはそれがたくさんありました。

本に挟まれた店の考え方。購入した時に手渡された店がある周辺のマップ。創業時の思いをまとめた冊子・・・。これらがあることで「そんな人の場所にいる」という意識が芽生えてくる。その気持ちは「そこに並ぶ本」がただの本ではなく見えてくる。そんなことがとっても大事。
店主の高橋さんはキッチンをレジとして使っていました。「最近はコーヒーと一緒に甘いものも作っていて・・・」と。それがなんだか一気にこの「本と商い ある日、」の印象の根元を感じられました。そんな高橋さんが作ったコーヒーとケーキを食べながら、高橋さんが選んだ本を読める(飲食しながらは購入後か、自分が持って持ち込んだ本に限る)。やはり、そんな世界観は大切。

本をただ並べただけでも本屋には見せられます。でもそれではネット書店には負けてしまうでしょう。本屋には店主がいて、そのひとの思いや人格があり、それが満ち溢れていればいるほど、「いい本屋」なんだと僕は思います。ただ椅子があってテーブルがあってメニューがあるだけではカフェには見せられますが、そこには居心地がない。どんな座り心地のいい椅子を揃えても・・・・。

高橋さんと喋っていくうちに、僕の中にこの場所の「解釈の仕方」が 見えてきて、それはポッ、ポッとシャボン玉が消えるように「居心地」に変わっていきました。そして「本に手が伸びた」のでした。

さて、何を買ったのか。ここも掘り下げたいポイントですが、本屋をやりたい人はおそらく僕のような初心者の段階では「本屋になる」的な本を読むでしょう。そして、そういう本は以外にもたくさん出版されている。で、この店には高橋さんによるそんなコーナーがあったのです。この棚を発見した時、高橋さんの素直な人柄に触れた気がしました。そして一冊買いました。

面だししている本を買う。これは今の僕の流儀。まずは店主の感覚を手にいれる。そこからその店をどんどん知っていく。自分もそんな本屋を作ってみたい。
元は「商店」だった場所を本屋に。新刊や古書、ZINEやそれにまつわるグッズ、本に関連したギャラリー展示は頻繁におこなわれてる様子。
20歳の頃に本屋をやりたいと思い、「SUNNY BOY BOOKS」という名前もその頃考え、やがて東京の学芸大学に開業した高橋さん(写真右)、その姉妹店をここ沖縄に。書店初心者の僕に、本当に優しく本音を語ってくれて、勇気が湧いてきました。話しながら全ての僕の今の考えに対して「それでいいですよ、頑張って」と、言われているように思える物腰の柔らかい言葉一つ一つが、僕の中に「本と商い ある日、」の世界観となって広がっていきました。ジーン・・・・・。
静かな集落の中にありました。
住所はあえて載せませんので、探して行ってくださいね。ひっそりした素敵な雰囲気。集落の人たちとのゆったりとした関係性も感じられました。


さて、続きはまた次回。

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