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ショップの中にギャラリーを持つということ。

ギャラリーでの買い物は、ショップでの買い物と何が違うのでしょう。

全国のdには「ギャラリー」を持つ店舗がいくつかあります。特に「ギャラリー」と明記し、スペースを持っている店舗は京都店、韓国ソウル店、富山店、デザイン室、沖縄店です。

d のデザインセクション「D&DESIGN」のギャラリー
d富山店のギャラリー。グラフィックは宮田ユミヨさん。


まず、最初にはっきりと言えること。少なくともdとして意識したいこと。それは「ギャラリースペースはただの売り場であってはならない」ということです。
ギャラリーは「紹介する場所」であり「自分たちの意識を表現する場所」です。
その結果、そこでの販売をするという順序が明確なら、販売する「売り場」と兼ね合わせてもいいかと思います。

しかし、根底に「自分たちが伝えたいことを表現する場所」という意識を常に持ち、それを「重ね続ける」ことで場所に「価値」が芽生え、育っていき、「いつかはあの場所で展示をしたい」「あの場所なら、参加してもいい」という、一種の憧れになっていくようなイメージで一つ一つの企画展示をしなければ、スーパーの階段横の展示スペースと変わらなくなります。結果、「そういう意識の店」という認識をされ、店の価値が下がります。

一番やはりやってはいけないのは、「ギャラリー意識のない”名ばかりのギャラリー”」でしょう。
これほどみっともないものはないと思うのです。

ギャラリーには夢があります。

新しいものやことを、広く伝え知ってもらう。そういう意識がギャラリーという空間を作りたいと思うわけで、ギャラリーを持っている店は、やはり「私たちはただの店にあらず」という高い意識がある。ということでしょう。

全国にはそんな「主宰者の意識によって文化的に憧れとなっていった場所」があります。それらは最初はどんな場所とも一緒のスタートだったはずです。

育てていった意識により、場所に価値が生まれ、一つ一つの手を抜かない展示やDMなどの写真やタイトルのつけ方、文章など表現により、特別なものとなって、やがて、文化や意識あるお客さんを吸引していく。

dソウル店のギャラリースペース。売り場なんですが、意識はギャラリーの緊張感を常に意識している。


富山店のギャラリーは一時期、売り場になりそうなことがありました。しかし、店長をはじめとするコミッティメンバーの文化意識により、「売上も見込める意識あるギャラリー」へと成長していきました。
京都店は京都ならではの作り手のプライドにより、企画を一緒に考え、中には会期中、ギャラリーに仕事場の一部を持ち込み、自ら、接客や説明をする方々も。

今、注目して欲しいのは、沖縄店のギャラリー。

スペースがあれば、売り場にして少しでも稼ぎたいという気持ちは当然のこと。しかし、ただの売り場なら、いくらでもある中で、「意識と文化」を発信できるということは、巡り巡って上質なお客様を引き寄せられるということ。そこと常に格闘中な沖縄店。頑張ってね!!

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ロングセラー「ナガオカケンメイの考え」の続編として、未だ、怒り続けているデザイナー、ナガオカケンメイの日記です。

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