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「パラサイト 半地下の家族」を観てきた

 ついこの間日本でも上映が始まった韓国映画「パラサイト 半地下の家族」。昨年のカンヌ映画祭パルム・ドールを受賞、アカデミー賞の国際長編映画賞(昨年まで外国語映画賞)も有力視されていて前評判の高いこの映画を、私も観てきた。

 すっごい面白かった。

 すっごい面白くて色々書きたいことはあるのだが、さてこの文章を読んで欲しい。

 本作をご紹介頂く際、出来る限り兄妹が家庭教師として働き始めるところ以降の展開を語ることは、どうか控えてください。ー「ポン・ジュノ監督からのお願い」より

 これは本作を手掛けたポン・ジュノ監督によるお願いで、映画パンフレットに載っていたものを引用した。ちなみに引用しなかった部分もユーモアがあってとても良い文章なので、機会があれば全文読むことをお勧めしたい。

 それはともかく、いわゆるネタバレ禁止宣告である。ネタバレ禁止ならば日本映画でもアメリカ映画でもたくさんあって、近頃では「アベンジャーズ エンドゲーム」でもそうだった。

 しかし、実際観てみると、成る程コレは確かにネタバレ出来んわ、と思う。色んな感情が込み上げてくる映画ではあったが、細かく書きすぎてはネタバレになりかねない。

 なので、私からはこれだけ言っておきたい。何気ないシーン、何気ないセリフに気を付けろ。「ふふっ」と笑って見過ごしていると、やがて「うわあああああ」となるぐらいに気持ち悪い程のショックを受ける羽目になる。そんな場面が幾つもある。それがこの映画の最も上手い所であり、恐ろしさであると思う。

 ところで、この映画の宣伝コメントの中から、川村元気さんの言葉を引用しておきたい。 

 期待を上げるだけ上げて観たら、底が抜けて奈落に突き落とされたような衝撃。ー映画プロデューサー川村元気さんによるコメント、日本版公式HP・パンフレットに掲載

 川村さん上手いこと言うね〜。本当にそういう映画だし、しかも「これは日本映画も頑張っていかなくては」という程に、今の日本映画、ないしは日本にとって足りない何かを突き付けてくれる。実際、アカデミー賞の前評判が良いだけでなく、この間はゴールデングローブ賞の外国語映画賞を受賞するなど、既に世界中の賞レースでも大きな存在になっているが、それも頷ける重量感がこの映画には押し潰されてしまう程ある。

 果たして、今年観る新作にはこの映画を超える衝撃作が出て来るのだろうか。新年早々、とんでもない映画を観てしまったという気持ちが、私には強く残っている。

 2020年2月12日追記:なんとこの映画、アカデミー賞では国際長編映画賞だけでなく、全編外国語の映画・アジア映画初の作品賞まで受賞してしまった。かの黒澤明でさえ乗り越えられなかった壁を、韓国映画「パラサイト」はとうとう破壊した。時代の変化もあるとは思うが、いずれにせよこれは本当に凄いことだし、尊敬出来るビッグサプライズであった。

 

 

 


 

  

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