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第5回 相続人とは(相続人・法定相続分)| 学校では教えてくれない相続の話

行政書士の長岡です。相続の話、第5回目となる今回は、相続人と法定相続分について解説してみます。

相続人とは

これまでの記事にも「相続人」という言葉は何度か出てきていますが、きちんと解説するのは今回が初めてです。少し長くなりますので、第5回と第6回に分けて次の6項目を説明してみます。

第5回で1から3(基本パターン)を、第6回で4から7(応用パターン)を説明していきます。

1.相続人
2.相続人の優先順位
3.法定相続分

4.子が先に亡くなっていた場合
5.離婚した場合
6.近い親族がいない場合
7.相続人が誰もいない場合

1.相続人

相続人とは、「亡くなった人が残した財産(遺産)をもらえる人」のことだと考えて問題ないでしょう。誰が相続人になるかは法律にきちんと決められているので、「法定相続人」と呼ばれることが多いです。

まず、配偶者(妻または夫)は必ず相続人になります。また、夫婦の間に子どもがいたら、その子も相続人になるでしょう。それに対して、亡くなった人の親や兄弟姉妹は、相続人になる場合とならない場合があります。

2.相続人の優先順位

相続人になる場合とならない場合がある理由は、配偶者以外の相続人について順位が決められているからです*。順位は、① 子、② 直系尊属(親→祖父母→曾祖父母……)、③ 兄弟姉妹となっています。ですので、親(②)や兄弟姉妹(③)が相続人になるのは、順位が上の相続人がいない場合に限られるのですね。

第二順位の親などが相続人になるパターンは、亡くなった人に子がいない場合や不幸にも子が先に亡くなってしまった場合だけでなく、子が家庭裁判所に申し立てて相続放棄をした場合などが考えられます。

さらに、親が先に亡くなっているか(むしろ順当ですが)、親が相続放棄をした場合には、第三順位の兄弟姉妹が相続人になるわけです。

*厳密には、配偶者は一緒に相続する人と「同順位とする」という考え方ですが、あまり深く考えなくてもよいと思います。

3.法定相続分

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