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矢印や矢羽根で因果関係を整理する

行政書士・社労士・中小企業診断士の長岡です。事業計画策定のポイントを解説した有料動画から、フレームワークなどの解説部分を抜き出して、テキスト化していくことにしました。ちなみに、こちらも一部有料です。

また、全10本+αを解説した有料動画も販売しておりますので、ご興味ございましたら、こちらの記事もご覧ください。

矢印とは

矢印そのものの説明は不要だと思います。日常的に目にする図ですよね。ロジカルシンキングの場面では、「原因」と「結果」を結ぶのに使うのが主流なのではないでしょうか。要するに因果関係を整理するのに便利なんですね。

原因と結果がつながるわけですから、原因を分析していくときだけでなく、結果を予測していくときなどにも、矢印を活用することができます。

そんなわけで、まずは原因分析の場面での活用法から。

例えば、問題の原因をしっかりと分析しないまま解決方法を考えてしまうと、解決につながらないどころか、かえって状況を悪化させてしまうことにもなりかねませんよね。ですので、課題と解決方法を検討する場面などでも、この矢印が大活躍するわけです。
(このあたりは有料動画の序盤で解説しています)

では、具体例を挙げて説明してみます。

矢印の具体例(原因分析)

現状の問題として、「価格競争(に巻き込まれて厳しい)」があると。その問題を解決するためには、まずは原因を探っていく必要があるでしょう。ということで、「なぜ?」をくり返して本質的な原因を探っていくわけですね。トヨタが「5回くり返す」というやつです。

ちなみに、ここでは「ある製品を覆うカバーを製造している会社」を想定しています。

現状:価格競争で厳しい
↓ なぜ?
競合が増加したから
↓ なぜ?
参入が容易になったから(スライドでは省略)
↓ なぜ?
高品質(高耐久)でなくても通用するようになったから
↓ なぜ?
製品が発熱しなくなったから

こんな感じで原因を探っていくことによって、解決方法の絞り込みにつながります。

この作業を省略してしまうと、価格競争から抜け出すために「もっと高品質なカバーを開発しよう!」みたいな方向に進んでしまうかもしれません。でも、高品質なカバーが必要な時代は終わっているわけですから、それでは解決につながらないでしょう。それどころか、高度な加工に必要な設備を導入したことによって、かえって財務状況が厳しくなってしまう可能性すらあります。

こういった事態を避けるためにも、矢印を活用することによって、本質的な原因を探っていくことが重要なんですね。

矢印の具体例(将来予測)

こんどは反対に、原因から結果に進んでいく、つまり将来を予測していく場面を想定してみます。

見た目としては、矢印の向きが反対になっただけですね。ここでは、一番下の「発熱しない」から考えていきます。

製品が発熱しなくなった
↓ どうなる?
高品質でなくても通用するようになるかも
↓ どうなる?
参入が容易になるかも(スライドでは省略)
↓ どうなる?
競合が増加するかも
↓ どうなる?
価格競争が激しくなるかも

みたいな感じです。発熱しない製品が登場した時点で将来の価格競争激化を予測することができれば、早めに対策を考えられますよね。

もちろん、矢印を使わなくても将来予測はできますが、図示することによって、より整理しやすくなるのではないでしょうか。

注意点

このように、矢印によって因果関係を分析することができるのですが、気をつけなければならない点がいくつかあります。

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2022年12月27日 10本の記事はそのままに、マガジンを110円に値下げしました。単体購入はできない設定にして、試し読みエリアを少し広げてあります。

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