水泳指導である私が伝えたいこと

今回は第4回目の投稿です。


水遊びが大切ということをこれまでの投稿でお伝えしてきました。


私がスイミングスクールに生徒として通っていた頃(約20年以上前)は自由遊びの時間というものがありました。


1ヶ月に1回進級テストがあり、そのテストが早く終われば余った時間で自由にプールで遊ぶことが出来たんです。


まだ充分に泳げないレベルのクラスでは自由遊びは危険なので、自由遊びがあったのは4泳法がある程度泳げるようになったクラスのみでした。


当時はこの遊びの時間がすごく楽しみで、進級テストの日は「テスト頑張るぞ!」と同時に「今日は遊べる日だー!」と思ってウキウキしていたのを今でも覚えています。


泳いだり、潜ったり、滑り台や浮き島で遊んだり、鬼ごっこをしたりなどなど。


今も昔も子供は遊びが大好きです。


それは“遊びが幸福の源泉”であるからです。


子どもは遊んでいるとき幸せを感じています。


大人でも子どもの頃に友達と遊んだ幸せなひとときをよく覚えている人は多いはずです。


子供にとって遊び、特に友達との遊びは“幸せを感じることが出来る活動”なんですね。



しかし実際、指導の現場ではこの自由遊びを実施することは容易ではありません。


まず、スイミングスクールは泳ぎを教える場所なので遊びばかりに時間を取れないこと。


泳ぎをろくに教えずに遊ばせてばかりではスイミングスクールとしての役割を果たしていないことになるからです。


水泳は人気の習い事なので生徒はたくさんいます。


しかし、指導者の数はというと決してたくさんいるとは言えない状況です。


ひとりの指導者がたくさんの人数を指導しないといけない場面は多々あります。


そうなるとどうしても遊びには時間を取れない現実があります。


それに生徒の数が少ないときは遊べて、多いときは遊べないと不公平が生じるという問題もあります。


ここで大切なことは、自由遊びの大切さを理解した上で仕方なく遊びに時間を取れていないのか、それとも「遊びなんて必要ない。危ないんだからやってはいけない。」と言って遊ばせないのかどちらかということです。


どちらのパターンもあると思いますが、指導の現場をずっと見てきている私には最近は後者のパターンが増えてきているのではないかと感じます。 


水遊びの大切さはこれまでの投稿で述べてきた通りですが、水遊びに限らず子供が遊びから学ぶものは大きいです。


創造力、感性、適応力、チャレンジ精神、コミュニケーション能力、思いやり、協調性、運動機能の向上、自己防衛能力などなど。


まさに生き抜く力を付けるために子供にとっては必要不可欠なものだと思います。


しかし、それを理解した上で安全面の配慮が難しいから遊びはなしにするのとまるで遊ばせることが悪のように洗脳して遊びを禁止にするのとでは結果は同じでもこのふたつはまるで違うものになるのではないでしょうか。


私は指導の現場で遊びをもっと入れましょうと言っているのではありません。


現場で出来る余裕はあまりないし、そもそもそれによって事故が起きてはいけないから。


私が言いたいのは遊びそのものは悪いことではないということと今ある環境でどうすれば安全に遊びが実施出来るかをもっと考えることが必要だということです。



「危ないからこれはやっちゃダメ。禁止です。やらせてはいけません。」


指導の現場では今、禁止事項が非常に多いです。

これは公園などでも同じです。


それそのものが悪いわけではありませんが、仕方なく禁止にしているとは感じられないというのが正直なところです。


これでいいのでしょうか?


このままいくと禁止事項ばかりが増えていく気がします。


具体的にどうすればいいというのは場所によって環境が違うので一概には言えません。


ただ遊びそのものは悪いことではないということは決して忘れてはいけないと思います。



水遊びに関する投稿は今回で一旦終了にします。


最後まで読んでいただいて有り難うございました。




























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