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スーパー栄養士さんお仕事奮闘記 第5話〜謎の女性〜

午前中の研修も終わり昼休みを迎えた。
お昼ごはんは店のお惣菜やお弁当を買っても良いと言われていたのでエプロンを外して買いに行くことにした。

ここは常連として利用しているスーパーなので当然大体の商品の配置も分かっている。
店員としてお店の商品を買うというのはなんだかぎこちない。
僕は海苔巻きとペットボトルのお茶を手に取りレジへと向かった。
「お、お願いします」
お客さんとして利用していた時はこんなに緊張なんかしなかったけどレジ係の先輩に会計をお願いするとなるとなんだか変な感じだ。

事務所に戻ると休憩に入った三田さんともう一人女の人がテレビを見ていた。
帽子は外しているが、上下白の調理服に包まれているから惣菜担当の人だろう。
その女の人は僕を見るなり急に話しかけてきた。
「大江先輩ですよね!」

見た目からすると同世代か少し年下の女の人だ。
でも僕の知らない人だ。
多分。

「なんや、あんたら知り合いなんか」
三田さんが興味津々で話しかけてきた。

「い、いや多分人違いだと思います」
「せやかてさっき大江先輩ってゆうたやんか」
確かに三田さんの指摘の通り確実に僕の名前を呼ばれていた。

「どないなん、吉川ちゃん」

「ヒ・ミ・ツです」

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