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ビアンコマンジャーレの話 〜鶏肉のビアンコマンジャーレ?中世のレシピを読んでみる〜

「ブラマンジェ」「ビアンコマンジャーレ」と言えば、フランスとイタリアで有名な菓子。どちらが本家か???私はイタリアびいきなので、「そりゃ、シチリアでしょう」と調べてみたら、どうもそうではないらしい。その背景には中世の権力であった教会の存在が見えてくるのです。
それについて書いた文章を、どうぞお読みください。
そして、次回は中世から伝わっている「ビアンコマンジャーレ」の作り方をご紹介します。

ビアンコマンジャーレの話。
シチリアの空港に着いて、いの一番にすることはバールに駆け込んで搾りたての真っ赤なオレンジジュースを飲むこと。すると否応なしに目に入ってくるのが、ケースに並んでいるマジパンを果物の形にした、極彩色のフルッタ・マルトラーナ。イチジクあり、サボテンの実ありの、シチリアのシンボル的菓子だ。

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が、今回のテーマはその横でひっそりと白くたたずんでいる「ビアンコマンジャーレ」。日本では「ブラマンジェ」という名前の方が有名かもしれないが、さかのぼれば中世の料理書にも載っている由緒正しい正統派の菓子である。・・・いやそうでもないかもしれない。中世のビアンコマンジャーレのレシピを訳してみれば、

「大き目の鍋に、拍子木に切った鶏肉を色がつかないようにラードで炒める。アーモンドの粉をバラ水に溶かす。米粉を羊乳に溶かし、鍋を火にかけ、焦げつかないようにかき混ぜながら煮る。ゆっくりと煮ているところに肉を入れる。最後にアーモンドと水を加える。クリーミーで、白く洗練された味に出来上がる」

と書いてある。

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