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【 レシピ 】ナポリ風ナスのパルミジャーナ 〜パルマの料理じゃありません

ナポリの代表的料理に「ナスのパルミジャーナ」があります。
初めてその名前を聞いた時には「なんでナポリなのにパルミジャーナ(パルマの)なのよ!?」とびっくりしたのですが、これってイタリア語では”Parmigiana di melanzane”,「パルマ風ナス」”Melanzane alla parmigiana “とは文法的にも違うのです。

さらに各地にパルミジャーナという料理はあって、ズッキーニを使ったりゆで卵を入れたり豪華バージョンもあります。

しかしながら、一度著名なイタリア人食のジャーナリストの講演で「パルミジャーナではなく、パルミシャーナ。つまり窓の覆いが少しの光が入るために木を重ねて作ってあるところから、それを模して食材を重て作っているのだ。起源は南イタリア」と言って、拍手喝采を受けていたのに遭遇したことがあります。場所はシチリア。「う〜ん、やっぱり南部の人には、この名前は屈辱的だったんだあ」と思ったことがあります。

そんな訳で、パルミジャーナに興味を持ったので、手に入るパルミジャーナのリチェッタでいくつか作ってみよう!(でも、家庭で作れるように、スーパーで買える食材を使っています)
一回目は「ナポリ風ナスのパルミジャーナ」

ナポリ風ナスのパルミジャーナ
Parmigiana di melanzane alla napoletana

パルミジャーナ

材料(2人分)
ナス・6本
モッツァレッラ・1個
ホールトマト・400g
バジリコ・6枚
ニンニク・1片
粉パルミジャーノ・適宜
小麦粉・適宜
オリーヴ油・適宜
塩(グロッソとフィーノ)、コショウ・少々

作り方
① 鍋にタップリのオリーヴ油を入れ、ニンニクのみじん切りでソッフリットを作り、香りが移ったらトマトとサーレグロッソを入れて、ソースを作る。
② ナスを4等分して塩をふり、30分ほどおいてから水気を切り、小麦粉をはたいて揚げておく。
③ モッツアレッラを薄く切っておく。
④ 耐熱皿に揚げ茄子を敷き詰め、モッツァレッラ、トマトソース、バジリコの葉、粉パルミジャーノを材料がなくなるまで重ねる。
⑤ 最後にモッツァレッラを並べる。
⑥ 180度のオーブンに30分ほど入れ、表面に軽く焦げ目をつける。


パルミジャーナ2

イタリア料理で大切なのはソッフリット。タップリのオリーヴ油にニンニクのみじん切りを入れて火をつけ、弱火でゆっくりと加熱する間に、旨味を油に移します。小さなことですが、これをするのとしないのとでは、出来上がりが大きく変わりまず。

パルミジャーナ3

トマトソースはシンプルに。使うのはソッフリットとホールトマト。トマト缶に水を入れて残りのトマトも鍋に注ぎます。(これって、無駄をしないマンマの知恵)。この場合の塩はサーレグロッソ(粗い塩)を使います。

パルミジャーナ4

ナスは4等分。こうすると皮の付いているものと付いていないものが、半々になります。塩をしてしばらく置いておきますが、このときの塩はサーレフィーの(細かい塩)です。

パルミジャーナ5

たまたま手に入れたのが、このタイプだったので。崩して使うので、どのタイプでも結構です。国産は水分が多いので、充分に抜きましょう。

パルミジャーナ6

30分ほど置いて出たナスのアクを拭き取り、粉をつけます。

パルミジャーナ7

揚げるのは高温のオリーヴ油で。こうすると皮と中身の差がはっきりと出ます。

パルミジャーナ8

トマトソースは、ヘラでそこが見えるほど煮詰めたものを。水分が多いと出来上がりがビチャビチャになってしまいます。

パルミジャーナ9

これが材料です。揚げナス、トマトソース、バジリコの葉、モッツァレッラ、すり下ろしたパルミジャーノ。

パルミジャーナ11

まずは器の周りに、色が交互になるようにナスを置きます。次にナス、トマトソース、バジリコの葉をちぎって。トマトソースは少量でかまいません。

パルミジャーナ12

崩したモッツァレッラと粉パルミジャーノ、これを繰り返します。

パルミジャーナ13

最後は外側のナスで覆って、残りのモッツァレッラを乗せます。

パルミジャーナ14

食べる30分ほど前に、180度のオーブンに入れて、できあがり!
熱々を食べます。


夏の応用編を動画でご紹介しています!↓



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