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「百年の恋も冷める」を防ぐために、マッチングアプリの開発者に伝えたいこと

「好きなものが一緒の人より、嫌いなものが一緒の人の方が仲良くなれるんだって」
そう言ったのは、もう長い付き合いになる友人だった。
もう一人の友人と一緒に3人で川端ぜんざいを食べているとき、私もその人ももう一人の元に無言でたくあんを差し出した。
(3人分のたくあんを食べさせた友人には申し訳ないが)
「確かに、お前との共通点”たくあん苦手”くらいしかないしね」
なんて言いながら、なるほど、と思っていた。

自分で好きだと思っているものは割と把握しているけど、嫌いなものってどれくらい把握してるんだろう。
それからふと考えるようになった。
『共通の敵』がいると仲良くなりやすいというのもあるけど、それとは似て非なるもののような気がする。

話は逸れるが、マッチングアプリに登録していたことがある。
もうそろそろ婚活しないとヤベェ時期で、でもお金も全然ないし、だからお見合いとかはちょっと無理だし、合コンを開いてくれるような友達もいないし、暇だし。
結局面倒になってしまって、そのうちに今の旦那と再会してなんとか結婚できたのだけど、あれってダメだわ。
いや、もちろん良い人と出会えた場合もあるだろうし、それは問題ないのだけど、私は会うところまでも行かなかった。
使ったことのある方ならわかると思うのだけど、結構たくさん登録することがある。
身長とか年収とか趣味とかその他もろもろ。
写真も何枚か登録しなきゃいけないし、もちろん年齢も。
あとはお酒が好きか、とか、タバコを吸うか、とか、どんな人が好みです、とか。
まあその条件から絞って行くのだけど、それがいけない。
自分にとって絶対に譲れない条件っていうのが何なのか、だんだんわからなくなってくるのだ。
私の好みのタイプは(誰も知りたくないのはわかっていますが)風間俊介くんなので(ごめんなさい)身長は高いよりも低い方が良くて、顔は薄めの方が好きで、男らしさよりも中性的で優しい感じが良くて、一緒に本屋さんに行けるような人が良かった。
それと、遠距離は無理なので、せめて同じ市内に住んでいて欲しかったし、できれば年下でお願いしたかったし、結婚まで考えるとなるとやっぱりある程度落ち着いた仕事をしている人と会いたいと思った。
そして、音楽関係の人は避けたかった。
でもまあ、そんな人いない。
少し条件を緩めようと思うのだけど、優先事項が自分でわからない。
もしこれが、ただ会って一夜を共にする目的でやっていたならば、顔のいい人を選べばいいので問題ないのだけど(使い方に問題があるというご指摘はありますが)ちゃんとお付き合いしたいなと思うと、すごい欲が出てくる、永井のくせに生意気だ。
そんな感じで、誰ともお食事に行くことなくアプリを消去した。

それからちょっとして、数年ぶりに再会した人とパッと結婚した。
旦那についてはまた別で細かく語りたい。ウザいのは承知だ。
結婚してもう少しで1年になるのだけど、最近めちゃくちゃに居心地がいい。
一緒にいてこんなに疲れない人間がいるのか、と、びっくりしている。
なんでだろう? なんでだろう?
と赤と青のおじさんが頭の中で歌っていたのだけど、冒頭の友人の言葉で合点がいった。
正しくいうと、私と旦那は苦手なものが一緒というわけではないと思う。
私はホラー映画が苦手だけど旦那は好きだし、旦那はナスが苦手だけど私は好きだし。
でもお互いな苦手なものの情報を共有している。
もしかしたら、その共有しているっていうのが、すごく大事なんじゃないかなと思ったのだ。
お前がそれ苦手なら俺が代わりにやろう、とか、二人とも苦手ならそれから距離を置こう、とか、苦手だけど一緒に頑張ろう、とか、そういう作戦が立てやすい。
嫌なのに我慢したり、押し付けたり、そういうことが起こらない。
(苦手なことを頑張るとめちゃくちゃ褒めてくれる。掃除とか)
もちろんそれは思いやりあってのことだけど、お互いの苦手なものの情報が共有されてないと、日々喧嘩の元になる。
たぶんその情報共有を惜しまずにやってくれそうな人だな、と察知して、旦那と結婚したんじゃないかなと今は思う。
決めた当時は全然考えてなかったけど、でもなぜか大丈夫な気がしてた。

残念ながら旦那も歌を作って歌っているし、身長は179cmあるし、割と顔は濃いめで、手足は毛深いし、付き合い始めに住んでたのは市外だったし、本よりもアニメが好きだし、年も1つ上だし。
何一つ好きなタイプと被っていなくて、笑えるくらいだ。
あの時マッチングアプリに旦那が登録していたとしても、どう頑張ってもマッチしなかっただろう。
妥協したと言われればそれまでなんだけど、「なんかこの人なら大丈夫そう」という感覚を優先してしまった。
まあ旦那もロシア系スレンダー美女がタイプみたいなので、「残念だったね」と言っている。

マッチングアプリもたくさんあるみたいだけど、婚活目的だったら「絶対に嫌なこと」とか「苦手な家事」とか「私の地雷」みたいなものをリスト化した方が、うまいことマッチングできるんじゃないかな、なんて思ったのだけど、誰か開発してみませんか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!