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晴れの日も雨の日も#197 プレゼント

プレゼントは貰っても嬉しいが、あげるのもいい。
どんなものをあげたら喜んでくれるだろうか。そんなことを考えながら、あれでもないこれでもない、と思案を重ねるのは結構好きな時間だ。

だが、ちゃんと相手の好みにあったものを選んで喜んでもらうのは必ずしも簡単ではない。きっと喜んでくれるはずだと勝手に思っていても、自分の好みや思いだけで選んでいては、フタを開けると大スベリする。相手のことがよく見えていないだけでなく、相手との関係性を勘違いしていることもありうる。恥ずかしながら、私にはそういう苦い経験がいくつかある。

一人芝居の妄想劇ではせっかくのプレゼントがむしろ逆効果になる。相手との関係性や距離感にふさわしいもの、相手が欲しいと思っているもの、好みに合うものをプレゼントしたい。そのためには普段から相手との会話を深め、アンテナをはり、相手のことをよく知る努力が必要だ。何でもいいからあげときゃ喜ぶだろう、なんてのは全くもって論外だし、よく分からんから自分の好きなものをあげる、というのもイマイチ冴えない。


サムネ画像のパスケースは40年ほど前に頂いたものだ。プレゼント以外も含めて、私の現在の所有物の中で最古に位置付けられる。

大学の時、2つ上の先輩が中学校の教員をされており、そこの水泳部にちょくちょく遊びに行った。男子とも女子とも分け隔てなく仲良く楽しく遊ばせてもらった。
その頃の私は同世代の女子にはモテなかったが、中学生女子には人気があった。で、私の安アパートに何人かの子が遊びにきたことがある。
もちろん別に何事もなく彼女達は帰宅したのだが、その一人のお母さんがこのパスケースを贈ってくれた。手作りのローケツ染めだ。

貰った時は単純に嬉しかったのだが、その後随分して、このお母さんは、礼を尽くすことによってさりげなく私に釘を刺したのではないかと思うようになった。李下に冠を正さずというが、迂闊なことをして周りにご心労をおかけしてはいけない、ということを戒めるために、今も大切に使わせて頂いている。

ネクタイも何度か頂いた。
最初は大学の時に家庭教師をしていた子が無事入試を突破した時。ちょうどこちらも社会人になるタイミングだったので高級ブランドのネクタイを頂戴した。
2度目は就職後1年目の冬、東京に転勤する際に同期入社の女子4人から。ずいぶん長い間愛用させていただいたが、さすがに端が擦り切れてきた。それでもずっと持っていたが、サラリーマン卒業を機にお礼の気持を込めてサヨナラした。
最後は退職する時に職場のメンバーから頂いた。お気持ちは嬉しいが、残念ながらこの先ネクタイはたぶんしないかな。。。


やはり、食べたり飲んだりするものよりも、後々まで形で残るものの方が気を使う。プレゼントは、モノをあげているようで、実はそこに込められた心が大事なのだとあらためて思う。

冒頭に相手にsuitableなプレゼントをすることが望ましく、そのためには相手のことをよく知ることが重要だということを書いたが、込められた心がホンモノなら、自然とそういうことができるのでは、とも思ったりする。今度は誰に何をあげようか。そして誰かから何かを頂くことがあるのだろうか。

昨晩は元ラグビー日本代表主将廣瀬さんの講演会。さすがお話し上手。勉強になりました。

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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<予定(但し、臨時差し替え頻発😂)>
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#199 男の人生
#200 【創作SS】ある家族の会話

(つづく)


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