見出し画像

「晴れの日も雨の日も」 #109 モテる・ウケる・刺さる

だいたいモテるヤツというのは相場がある。
小学校の時は何と言っても顔だ。
中学に上がるとスポーツのできるヤツ。この頃の運動音痴の男は全く悲惨だ。
高校になれば、オモロイやつ。それとギターのできる奴。
大人になるとカネを持ってるやつ、なんてのも加わってくるかもしれない。

私は、いずれの時も残念ながらこのモテるスペックからハズレていた。誠に残念であるが、現実は冷酷にして残酷だ。コンプレックスをバネにして自分磨きをするしかなかった。

コンプレックスと言えば、背が低いのもずっとイヤだった。
165cmしかない。背の順に並ぶとだいたい前から3番とか5番だ。
集合写真を撮る時は、前列でしゃがむか、後ろの方で背伸びをしてごまかすのが習慣になっている。

小学生のミニバスケットボールのコーチを長い間やっていたのだが、ある一時期中学の外部コーチも引き受けていた。
中学生ともなれば私より大きい子も中にいる。
ある時彼ら数人と横一列に並んで写真を撮ることになった。上半身だけを撮るのだと勝手に思い込んで、精一杯背伸びをして写真を撮った。出来上がった写真を見ると全身写真だ。普通にしている中学生の横で私一人思いっきり背伸びをしているところがバッチリ写っている。
なんだか浅ましいなあと悲しくなったことを覚えている。

就職後縁あってスピード結婚をしたのだが、このあと、急にモテ期が訪れたことがある。30歳前後か。この頃の私は仕事も脂が乗っていて、職場の女の子たちをオレが守ってやるみたいな気概にあふれていた。
結婚して子供もいて、今更モテてもしょうがないのに、ということだが、男として、というより頼れるオニイサンとしてのモテ期だったのだと思う。

体育会水泳部にいた大学の頃はシーズンオフになると合コンが流行った。
私は先輩たちに結構誘って頂いた。要は盛り上げ役だ。こいつならモテんだろう、ライバルにならんだろうという、安パイ扱いの面もあったと思う。
事実、私が行く合コンはだいたい盛り上がった。結構笑いを取ったりもした。

翌日クラブの部室で、昨日の合コンは、なんて話になる。必ず言われたのが
「モテるとウケるはちゃうからなー。そこ勘違いすると悲劇やで。わかってる?」
わかってますと答えていたが、実はわかってなかったかもしれない。いや、わかりたくなかったのかもしれない。

今はもうモテて喜ぶという年でもないのだが、聞き上手への階段を上がっていけば、今度こそモテるようになるかもしれないゾ?いやいや、61歳のジジイの妄想である。



さて、けいこさんというプロフェッショナル・コーチがおられる。私は彼女を敬愛していて、週一でメルマガを頂戴している。
先日、「万人受けを狙うのはどうなのか」という記事を頂いた。
誰にも嫌われないものを作ろうとすると、結局当たり障りがなく、他のものと似通ったようなものになってしまう。とどのつまり誰にも刺さらない。刺さることを考えるなら自分らしさを全開にすべきだ。その結果、離れていく人もいるかも知れないけど、という内容だ。

120% agree だ。

できることなら、少しでも多くの人に深く刺さらせたい。しかし、ウケ狙いの迎合に走ることはどうなのか。誰のために、何を目的として、何をしてるのか、わからなくなりはしないか。

さらには、刺さったとしても、それがその人の心を変えるような影響力をもつかどうかもこれまた少し次元が異なる。

モテる、ウケる、刺さる、影響力がある。少しづつ違う。私は何を狙うのか。狙いたいのは「刺さる」から「影響力」あたりだ。また、脱パン党の党首としては、個性を全開にして、常に「地」「スッピン」で勝負しないと党員に対して示しがつかない。が、一方、その結果人が離れていくだけ、なんてのもさすがにサビシイ。
煩悩だらけのながいコーチの悩みは深い。

追 男物のレースのパンツが売れているらしい。しかも1着数千円だとか!!私がパンツを脱ぐとかどうとか言っている間に、世の中はどんどん進んでいる。完全に周回遅れだ。よし、オレも買うぞ!って、んな訳ないな。

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之
仕事のご連絡・その他ご相談等はこちらに→nagaib61s83@gmail.com

<予告>
#110 二つの始まり
#111 人生が二度あれば
#112 フリーランスになっての日々

(続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?