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晴れの日も雨の日も #148 おでん屋にて#5全体と部分

おでん屋シリーズ前号#147から続く。
私の前に戻ってきたみんみんとまた話が始まった。

私    お酒、最後の一本頼もかな。
みんみん はーい。
     ながいさん、ひとりでぼんやり、なんか考え事してはったん?
私    うん、人を信じるには、言葉や言動を見てるだけじゃ
     足りへんなあと思って。
みんみん 私は、その人の全体を見るで
私    やっぱり?全体?それってどうやって見るの?目の色とか?
みんみん うーん、その人が醸し出してる空気とか含めて、かな。
私    空気ねえ。なるほど。
みんみん 目は大事やけど、しっかり目合わせながら騙す人っておるで
私    そうなん?それって高級テクニックやなあ
みんみん そうやねえ。ながいさんはええ雰囲気出してはるから大丈夫
私    ホンマに?うれしいなあ
     (と飲み屋のおばちゃんのお世辞に乗せられる)
みんみん ホンマホンマ
私    でもオレも実はルフィの手下で、
     目合わせながら騙すクチかもしれんで?
みんみん プッ。ながいさんは騙すより騙される方やわ。
私    ガクッ

と、ここで今日はおひらき。いわば、おちょくられておしまいだ。

さて、店を出てからほろ酔い気分での帰路に、何となく「待つ」「信じる」からの一連の会話が脳裏に蘇った。

全体、なあ。確かに言葉とか言動とかというのは、その人のある部分でしかないんやなあ。全体ではないんや。部分に囚われてると全体が見えなくなるってあるかもしれんなあ。いわば木を見て森を見ず、か。

なんて考えてると、30年近い大昔、若造のくせに説教講釈大好きのメンドクサイやつだった頃のことを突然思い出した。自分の後輩や年の近い女子事務職たちを抱えて口八丁手八丁にやってた頃。
「男は理屈で説得したり、ついてこさせたりできるけど、女はもっとズバッと直感的にこっちの本質を見抜いてきよるから、女のほうが騙されへんし手強い」とよく言っていた。この発言は30年前のもので、ジェンダー上の問題があることは大目に見てお許しいただきたい。

言いたかったのは理屈と本質ということが上記の部分と全体という話と通底する、ということだ。
言葉や言動に違和感とか不自然さを感じる時、それをさらに分解してどこが違うのか分析しがちだ。が、そうやって細部に入っていけば行くほど本質から遠ざかるのかもしれない。
一番大事なことは「違和感や不自然さを感じる」という感性なのではないか。そうか、これこそが、全体を捉えるとか本質に迫るということにつながってるのかもしれん。みんみんが言っていた「空気」というのもこれと同義なんかな。

心を開いて心の目で観るということか。

そういや#145「見えないものを見る」でも似たようなことを書いたゾ。また娘#3に「同じ事ばっかり書いてる」と言われそうやなあ。。ま、ええか、今日のおでん屋も有意義だった。

と酒で濁った頭でぼんやり考えているうちに無事に家にたどり着くことが出来た。お酒の神様に今日も大感謝だ。

夜が明けるのが早くなってきた。季節は確実に移っている。今日も素晴らしい一日が始まる。

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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<予告>
#149 おでん屋にて#6 春夏秋冬
#150 力雑感
#151 気づきのその先に

(つづく)


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