見出し画像

晴れの日も雨の日も#171 「自由」シリーズ序章 おでん屋にて#10世代交代

みんみん(以下「み」)とじんじん(同「じ」)が登場するいつものおでん屋。当店には私より年上の「姐さま」がボス顔で鎮座されている。店長ではないのだが、絶大なる存在感というか、実質的に当店はこの姐さまの支配下にあると言っても過言ではない。

み あら、ながいさん、いらっしゃーい
じ 今日はフライングじゃないんや。めずらしいね。
私 めずらしいなんて言わんといて。単にフツーやいうだけやん。
じ ねえねえ、ながいさん。姐さん卒業するの聞いてる?
私 ええっ!?マジ??知らん知らん。
じ なんかそうらしいで。もう年やから引退するわ、って。
私 そうなん?! やめてどないすんねやろ。
じ なんか、どっかで店やるとか、もう何もせえへんとか、
  いろいろ言ってはるみたい。
み 突然ポンっと決めはったんやけど、ほとんど誰にも言うてないみたい。
私 へえ、そうなんや。それ、けっこう影響大やんか。
じ そうやねん。
私 ほんなら、これから誰がこの店仕切んの?
じ (離れて出汁の味見をしているみんみんを指して)あれあれ。
私 ほうほう。なるほど。ほんで、じんじんがそれを影で操るわけか。
  鵜飼の鵜匠やな😂
み ちょっと、あんたら聞こえてんで😂
じ そうそう、そんな人聞きの悪い事言わんといて。
私 いやそりゃ冗談やけど。
  でも「駕籠に乗る人担ぐ人そのまた草鞋を編む人」って知ってる?
じ 知らん。ながいさんが考えた言葉?
私 ちゃうちゃう。田中角栄の秘書の早坂茂三の本。
  別に駕籠に乗ってる人だけがエライんじゃなくて
  みんなそれぞれ持ち場立場があって、持ちつ持たれつという話。
じ なるほど、確かにそうやね。ながいさん、物知りやねえ。
私 見直した?
じ はいはい。


梅田1ビルの一角で細々と営む(シツレイ!)おでん屋にも世代交代の波が押し寄せている。
折しもこの5月、3月決算の会社が続々と決算と役員異動を発表した。私の前職あるいはその親会社でも役員異動が発表され、その周辺の人も含め悲喜こもごものようだ。しかし、この姐さんのように、スパッと身を引くというケースは意外に少ない。

本来会社は機能と役割で動いている、もしくは動くべきところだ。その役割が終わればハイ終わり、というようにあるべきなのだろう。
が、ことはなかなかそう単純ではない。
国民年金の受給が始まる65歳まではなんとか会社の中で処遇して、面倒を見てやらないといかんという空気が濃厚だ。で、処遇論が優先されて、新たな役職やポストを作る動きになったりする。

私もほんの1年ほど前までその中に生息していたのだが、飛び出して外から眺めてみると、少々会社も過保護なのではないかという気もする。特にそこそこのエライさんなら、蓄えも十分あるはずだ。60歳で退職金だってもらっている。にもかかわらず処遇論優先で、半ば無理やり仕事とポストを作ることが、本当に本人のためなのか。

もちろん、金銭面では本人はウレシイ話なのだが、大した価値創出もないのに席を用意し続けることは、結果的に本人の会社への過度の依存を生み、マイナス面の方が大きいような気がするのは、会社を辞めた人間の妬みやヒガミが混じっているのだろうか。

当店の姐さんの場合は、この会社で守られた存在とはまた異なるが、見事な進退をお見せになられた。そのへんのサラリーマンよりよっぽどカッコええやんか、などと思ったりした。(次号につづく)

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

「ながいさん」by みんみん。オレってこんな感じなんか。。。。。 

コーチングのご相談などご連絡等はこちらに→nagaib61s83@gmail.com
(グチ、やり場のない思いやイライラ、悩みなどもどうぞお気軽にメール
 下さい。しっかり受け止めます。皆様の「心のゴミ箱」としてご利用
 頂き、「心のオアシス」を感じて頂ければ誠に幸甚です。)

<予告>
#172 「自由」シリーズその2 依存
#173 「自由」シリーズ完結編 自律・自立・自主・自由
#174 続中学生日記

(つづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?