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晴れの日も雨の日も#191 プライド〜最近の思い

先日おでん屋で知人に「人のことにもすぐ一生懸命になるながいさんはコーチングに向いてないんじゃないの?」と言われた。悪い意味ではなく、むしろ私のホットでウエットなところを良く評価頂いたと捉えている。私の良さを大事にしてという意味だと理解した。

コーチングをするうえで、相手との距離感は重要で、相手の問題は相手のこととして自らは手を放すことが必要だ。
しかし、ChatGTPでもできそうなクールでドライなコーチングなんて私は全く興味も関心もない。ホットでウエットな人間が距離感を取ることを学んだからこそ、私なりのコーチングがある。

そもそも、私がやりたいことはピュアコーチングとは少し異なる。
コーチングのエッセンスを活かして、自分のこれまでの経験知見も動員しながら、「Wholeのながい」として、相手に良い影響を与えていくこと。特に誰でもが悩みを抱えがちな人間関係の問題について、その人が少しでも居心地良くなるために。居心地がいいかどうかはその人の心の中の問題だ。だからその人の心の中にしか無い答えを共に探しに行く。独立して1年、いろんな試行錯誤を通じて、そんな思いがクリアになってきた。

思いの輪郭が明瞭になるのはいいことだが、一方で、私もよくよく自分のスタイルにこだわる人間だなあと呆れる思いもある。ホット✕ウエットが自分の長所だとか、62年間の経験知見も活かしたい、としつこく思っている。それは自分の来し方と今の姿に愛着があり、早い話がプライドを持っているのだと思う。

プライドというのは長短両面の色彩がある。
たとえば、プライドが高くて付き合いづらいとなると「短」だ。
が、一方で高みを目指して頑張るときにはプライドがエンジンになる。
頑張って自分磨きをする事と、今ここにあることを楽しんで過ごしていく事の掛け算が人生なのだと思うが、何かを達成しようという時には、プライドは階段を上がるための高性能エンジンだ。中途半端なことでは自分自身が我慢できなくなり、より高みに近づける。

また、プライドということでは、所属するチームへのプライドという切り口もある。
能代工業高校は高校男子バスケットボール界に燦然と輝く名門校だ。私の知り合いのバスケットの先生が、能代工の選手団に出くわした時の話をしてくれた。
楷書で「能代工」と書かれたジャージとカバンを持ち、ビシッと整然としていたらしい。その先生は感に堪えかね「君らカッコええなあ」と声をかけた。
すると、彼らは「ありがとうございます」「能代工ですから」と答えたと。オレたちは能代工の看板を背負っていると言っているわけだ。

いつどこで誰にどんな目で見られているかわからない。恥ずかしいマネは出来ない。能代工の看板に絶対キズをつけられないという矜持。これぞプライドですね〜という話をその先生とした。

こんな考え方も昭和的で、イマドキ流行らないのかもしれない。行き過ぎると全体主義だとか圧力的だとかという批判を受けるおそれもあると思う。しかし、こういう背筋がピンと伸びる感じというのは、物事を成し遂げる上で必要なもののように思う。

企業では、最近、エンゲージメントを高めることが必要だと言われる。それにはたぶん能代工の例のようにチームとしてのプライドをどうやって醸成するか、ということが王道だろう。しかしこの道のりはなかなか難しい。


さて、組織を卒業した私。まず現役時代に持っていた所属組織へのプライドは流石においてきた。次は自分自身に対するプライド。それも今は捨てたいと思っている。
「オレは出来る」でも「オレなんかダメだ」でもなく、あるがままの自分で今日を生きる。コーチングの技量を上げたいと言う気持ちはあるし、そういう意味では上を見る気がゼロというわけではないのだが、「上だけ」を見るというのとはかなり気持ちが違ってきている。

美しいものは上以外にもある。いろんな道や場所がある。長い間纏ってきたプライドという鎧を脱ぐ時が来たのかと思っている。独立起業してちょうど丸1年。最近の思いを綴ってみた。

夏空らしい入道雲

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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<予定(但し、臨時差し替え頻発😂)>
#192 【創作SS】ミニトマト
#193 男は度胸も愛嬌も
#194 感情を扱う

(つづく)

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