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晴れの日も雨の日も#161 おでん屋にて#7 黒子

結構な頻度で登場するおでん屋シリーズ。
今回は仲良しの「社長」のことを書きたい。

年はもう70後半。もともとはご自身で会社を経営されていたが、それも笑顔の爽やかな息子さんに譲り、ご自身はこのおでん屋のオーナーに収まられた。で、店のスタッフから「社長」と呼ばれており、私を含む常連各氏もそのように呼ばせて頂いている。

穏やかなお人柄で、稲森さんの盛和塾に出入りしていたこともおあり?で、お話もおもしろい。なんでも六甲山のすぐそばの高校に通っておられたとか。高校時代は地の利を生かして山登りのクラブを創設し、活動していたという。
大学に入ると、もう少し本格的なクラブ活動がしたくなったが、素人から始めてもついていけそうなもの、ということでボート部を選択された。
さらに聞くと、コックスをされていたという。ボートは、漕ぎ手は体力勝負で、大柄の選手を揃えるが、メガホン片手にその漕手に声をかけるのがコックスだ。

いわば、漕がずにボートを進める。

へー、コックスって何やろ?興味津々で私は社長と会話した。

私 :コックスってどんなことをするんですか
社長:ま、正式には舵取り役かな
私 :ボートの進路を決め、漕手に指示する、ということですか
社長:そうそう。そんな感じ。
私 :なんかボート上の司令塔ですね。カッコええですね。
社長:いや、そんなええもんとは違うねん。要は黒子やねん。
私 :黒子?どういうことですか?
社長:漕いでんのはアイツらや。オレには何の力もあらへん。
私 :たしかに。で、コックスがどうしてやったらみんな頑張るんですか
社長:普段からの信頼関係がすべてやな。
私 :ほうほう。
社長:合宿所ではオレは雑用係や。
   アイツらが頑張れる環境を作るのがオレの仕事。
私 :なるほど。
社長:主役はアイツら。オレやない。
   オレはアイツらが活躍するための黒子。縁の下の力持ち。


社長!
カッコええやん!惚れてまうやんかー!

この話を聞いて私はますます社長のファンになった。確かに、この社長、よくしゃべられるのだが、でしゃばるようなところは全く無い。私も聞き役であろうとしているのだが、社長も私の話を聞こう、聞きたいという姿勢をお見せになる。だから、私達の会話はよくはずみ、とってもフランクでいい関係が構築されている。

社長が一人で飲んでおられる時は、店のスタッフも社長の隣に私の席を作ってくれる。それは、社長の黒子精神、「人を立てる」「相手を優先する」というスタイルの賜物なのだと思う。

私の今の仕事、今の考え方もfor me よりfor youを大事にしたいということが基本線だ。
主役を人から奪わない黒子。
相手がより活躍したり、力を存分に発揮するための縁の下の力持ち。
ここにも立派なお手本がおられる。このおでん屋でのご縁には大感謝だ。

ご近所さんの藤の花。「藤の花」がおでん屋での話題に登ったおかげで初めて気付く。


今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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<予告>
#162 おでん屋にて#8 まいりました!
#163 コーチングをビジネスの現場でどう使うか
#164 おでん屋にて#9 好きとか愛とか

(つづく)


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