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「晴れの日も雨の日も」 #124 娘へ

娘♯4は27歳の保育士。今年、遠距離恋愛の彼氏ができた。
彼女は結婚したいと思っているが、今の仕事を辞めたくないという思いも強く、どのタイミングでどうするか苦慮しているようだ。

その前に、そもそもそのお相手はどのぐらい真剣に結婚を考えているのか、一度その彼を家に連れてこい、という話になり、先日、それが実現した。
昔ながらの「お嬢さんを下さい」というあらたまったシーンはなかったが、彼にも娘との結婚の意志があることが確認できた。

サラリーマンで営業をやっている彼。我が家では、私以外初めての企業人だ。ちゃんと常識を備え、しっかり仕事に取り組んでいる感じで、オモロイだけの娘にはむしろもったいない出来たお相手だった。我々老夫婦は、良かったねえ、ほっとしたねえ、と喜びの中にいる。

来月には娘が彼の実家に行きご両親に挨拶をするという。こうなると逆に娘のほうが世間知らずで、口のきき方などなどなってないところがある。細君にこれから1ヶ月の特訓を任せたい。

拙宅は賑やかな家だ。
長年営業をやり今はコーチというコミュニケーションの専門家を目指す私と、学習塾の先生でほかにも色んな人と話をし慣れている細君の二本柱なのだから、来客があっても会話が途切れることがない。娘はそういう文化の中で育っており、場を盛り上げることが好きであり得意でもある。

しかし。

当たり前だが、世の中、拙宅のような家ばっかりではない。
彼氏のご両親がどんな感じなのか、それに応じた対応が望まれる。
また、彼は高校から実家を離れており、彼自身と実家の距離感そのものも我が家のケースとは違うだろう。そんな状況下、私は娘に「相手の様子をよく見て聞いて、あわせていくこと。変に「わたしが」盛り上げようとしたらあかんで」とだけ伝えた。

順調に行けば、来年あたり結婚することになるのかな?
いい夫婦の秘訣、みたいなことを語る気も資格もないが、娘には甘え上手になってほしいと思う。
息子#2の新妻がそのいいお手本だ。上手に息子に甘えたり頼ったりしている。息子の方もそれが満更でもない様子がありありと見て取れる。そりゃそうだろう。好きな人に頼られてイヤな人はいない。

一方、私達老夫婦は必ずしもそうではない。
まず、私は甘えるのは大の苦手だ。
何でもできる強くて頼りがいのある男になりたいと思ってきた。
自分のことは自分でやらねばならないという思いも強い。
弱音を吐くなんてありえない。
細君も、夫の単身赴任が長いという環境下、仕事を持ちつつ5人の子供を育ててきた結果として、自立志向の色合いが少なくない。

そうするとお互いに甘えるという感じにならない。
それはそれで楽といえば楽なのだが、長い一生共に生きていくとはどういうことか、と考えた場合、いろんな捉え方がありそうだ。

助け合う、というのはいい夫婦のひとつの大事な要素なのだが、どちらかというと意思や意識の働きという面が強い。一緒に生きていくということには感情をどう扱うかということが不可分で、「助け合う」ことは必要条件であっても十分条件ではないのかもしれない。そう考えた時、「甘える」には感情的な色彩が濃く、共にある、人生を共有する、といううえで、重要な知恵がここにはあるような気がしている。
きっと「助け合う」と「甘える」の掛け算なのだろう。

もちろん、娘とそのお相手がどういう夫婦になっていくのか、二人で考えて話をしてやっていってくれればよい。その答えを出すのは二人でしかない。二人で末永く幸せにやっていってほしいと心から願う。

しかし、この娘が結婚して家を出るということは、いよいよ老夫婦二人の生活がホントに現実感を増して目前に迫ってきたということだ。
ダイジョーブか〜???

三日月と朝焼けの共演。ちょうど1ヶ月前、11/22の早朝。

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之
コーチングのご相談などご連絡等はこちらに→nagaib61s83@gmail.com

<予告>
#125 目線はダイジョーブ?
#126 長井家激動の2022年。こんな年ある〜〜?
#127 2023年 年頭抱負

(続く)

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