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晴れの日も雨の日も#175 【妄想会話】 縁

親友二人が酒場で与太話をしているらしい。どれどれ。

「あー、今日もよう飲んだ。ようしゃべった」
「おまえとも長い付き合いやなあ。
 120%腐れ縁やで」
「ほんま、それ。
 せやけど、「縁」って不思議やなあ」
「確かに」
「思いもかけんところから始まったり。
 うそやろー、と思ってるうちに糸が切れて
 しもたり。
 切れたんか、と思ってたら、どっこい意外に
 しぶとかったり」
「オレらはどれや」
「前世からの切っても切れない心友ちゃうんか」
「お。ソウルメイトか」
「おまえ、シブい言葉知ってるねえ」
「縁って、やっぱり大いなるものの意思がある
 と思わへん?」
「絶対あるで。神様はよう見てはる」
「たぶん、絶対何とかしようとか思って、
 ギューッと握りしめるとよくないねん」
「そうやな。自分で何とかできるもんでもないしな」
「そうや。特に、相手のことなんか自分の手の中にないもん」
「だから、神様にお預けして、
 自分は手放さなあかんのやと思う」
「きたな。いつもの必殺 ”手放す”」
「オレ、昔、めっちゃ好きな子おったんやけど、
 途中からボタンの掛け違いみたいになってしもてな。
 もうあかんかな、と思ってたんやけど、
 ひとつ手放したら、またつながり直した、
 って経験あるんや」
「それ、今のヨメハンか」
「いや、ちゃうけど」
「お、なんかややこしい話か」
「あほ。そんな話とちゃうわ。
 あかんときに視点とか立ち位置を変えてみると
 関係性が変わって、そこからやっとホンマのご縁が
 始まるってことや」
「なるほどなあ。もともと無理な形で縁をつなごうと
 してたけど、手放すことで変化が生じて、本来神様が
 用意してくださったご縁が実った、ということか」
「そうそう。
 けど、糸を放したら、そのまま風船のようにどこかに
 飛んでいってしまうってこともあるんやけどな。
 でもそれも、そういう縁やったということなんや」
「どこかに飛んでいってしまった風船、ねえ。
 とどのつまりは、勘違いとか幻想やったんかな」
「それそれ。」
「オレんとこの子供、今度結婚するんやけど、
 これがええお相手でな。
 ま、ヤツが自分で頑張ってゴールインした、
 という面もあるんやけど、やっぱりご縁なんやなあ。
 ほんでも、そのご縁も、遡れば、ヤツがずーっと長い間
 一生懸命生きてきたことが、そこにつながっとる。
 そういう意味では神様はホンマよう見てはると思うわ」
「その通りやなあ。サボってるやつにはいいご縁は
 恵まれへんわ。と言って、我利我利亡者のように一人で
 頑張るのもちょっと違うしな」
「だから、いいご縁に出会うとめっちゃ嬉しいし、
 大事にしようと思うよな」
「そうそう。でもしがみついたり握りしめたりするとあかんねんで」
「自分の気持ちを精一杯高めて、相手を包み込むようにするのが
 ええんやろな」
「おまえも、オレに対してそういう気持ちで接してや」
「あほ。おまえこそ」

ま、ええんとちゃう、お二人は仲良し、ということで。
ご縁が実ってステキなものになるのは、どちらか一方が頑張って何とかするのではなく、二人がともにその必要性を感じ、相互につとめて紡いでいくものですから。

御手洗さんに刺激を受け写経初体験(上からなぞるだけ)。今週は仕事0のため毎日連続に挑戦。

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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<予告>
#176   【創作SS】サラリーマンあるある 恋愛模様編
#177 おでん屋にて#11 沼からの脱出
#178 オレもツライねん

(つづく)


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