インフレヘッジのために、何に投資するべきか?


先に結論だけ書くと、

① インフレを心配して金や不動産に投資するよりも、成長企業に投資するほうがインフレ対応になると思う。一般にはグロース株と言われるカテゴリーへの投資です。

② インフレに備えて、何かに投資するかより、もっと大事なことがあるとすると、「現金を持ちすぎない」ということかと思います。サラリーマンの私は、少し気を緩めるとポートフォリオの中で現金が増えてしまう。放置していた債券が償還されてたり、株の売却代金をむやみに放置されていたり・・・。インフレ対策上では、これが一番やってはいけない悪手。

金融の超緩和環境下でのバイデン政権による米国の財政出動が確定し、
インフレ懸念が高まっていると言われます。

わたしは、先日発表されたFRB見解と同様に、急速なインフレは起きないと思っていますが、
投資家的な頭の体操として、インフレに備える方策を考えておきたい。

インフレとは何か?経済学の教科書で調べてみた。

「インフレ」 = 「ものの値段の上昇」 = 「貨幣の価値の減少」

ミルトン・フリードマンは「インフレーションは、いつの時代でも、どこにおいても、貨幣的現象である。」と言っています。

この意味するところは、以下の通り。
① 需要と供給の関係から「貨幣の量が増える」⇒ 「貨幣の相対的な価値が減少」
②「貨幣の供給量の増大により、名目的な価格は上昇するのですが、生産、雇用、実質賃金、実質利子率といった実質変数は変化しない。」

インフレが起こればは、平均的には、賃金も、販売価格も、会社の生産設備や在庫といった資産価値もみんな上がり、相対的な価値は変化しないことです。
 
言い換えると「コメの価格と醤油の価格の相対的な交換比率は変わらない」というのが経済学の教科書的な説明。

経済学の教科書的では、「実質変数は変化しない。」といってます。

企業とは物やサービスの生産主体。
つまり、インフレによって生産主体としての実質変数=相対的な企業価値は大きくは変わらない。

一方で、当たり前なのですが避けるべき資産は貨幣=現金です。
教科書では実質変数は変わらないのですが、「現金」や「債券」を大量保有している企業は実質変数が変化する例外だと思います。債券は弁済を受けることができる元本と金利の貨幣価値が落ちますので下落します。

では、インフレが起こる場合に、何に投資することが安全かと考えると、

一番は、本質的には継続的にその価値が向上する成長企業(実質変数が上昇する企業)に投資をすることが正しいインフレ回避の投資方法だと考えます。

もう少し具体的には、収益力が高く、インフレ時に価格転嫁が可能で、事業が成長する企業ということです。現金や債券を必要以上に大量に保有している企業は避ければよいと思います。

よく議論されるのですが金やコモディティや不動産に投資することも、
分散投資としては意味があるのかもしれませんが、それらは、「もの」なので、「もの」に分散投資すると、それらの名目的な上昇率は定義によりインフレ率に収れんする(=実質価値は変わらない)と考えています。

金やコモディティ投資は、分散投資にはなっていますが、一般に長期では実質的に価値が上がらない資産(期待収益はインフレ率)への投資と考えますので、長期投資を志向する私は、投資する意味はないと考えます。

という訳で、結局、「インフレ対策も、成長企業に投資するのが良いと考えている」というのが私の結論です。インフレ下の投資で避けるべきは、現金と債券。

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