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リアル課題解決は楽しい! 面白い! ワクワク!

 情報データ科学部の1・2年次の必修科目実社会課題解決プロジェクト(Project Based Learning、以下PBLと表記)は、自治体や地元企業と連携して、社会課題を発見、解決することを目指す授業。学生は、座学で学んだ情報科学、データ科学の知識や技術を使って課題解決に挑みます。ここでは「来年度もPBLを履修します」と意気込む新3年生の矢嶋佳織さんに、その感想を聞きました。

「色々な社会の課題に挑戦ができるPBLは面白い!」

図1.実社会課題解決プロジェクト(PBL)の概要

Q1: PBLの感想を教えてください。

 とにかく「すごく楽しい!」です。長崎県のリアルな課題を知ることは面白いし、実際に課題解決に挑戦できることにワクワクします。また、すでに専門分野を持って活躍しておられる方々とコラボレートできることは “時代の最先端に触れる機会”であり、とても貴重な経験をさせていただいていると思います。私はプライベートでも地域活性化に関わる学生活動に参加していますが、PBLでは学生のアプローチとは全く別の角度から社会課題に向き合えるから、いろんな気づきがあり、とても刺激的です。

Q2: どんな課題に取り組んだのですか?

 私のグループは、地図情報を調査・制作・販売しておられる(株)ゼンリンさんからテーマをいただきました。「街の文字情報を盛り込んだ、新しい地図サービスの可能性」というテーマです。その観点で見回すと街は文字情報に溢れていることに気がつきました。現代はWEBやSNSなどで情報が得られる便利な時代ですが、現地に行ってみなければ分からないことも多いと分かりました。例えば、ある病院のエントランスエリアだけでも、次のようにたくさんの文字情報があります。

 このうち、駐車禁止エリアや、AEDの設置場所は、車で来院する人や緊急の際に必要な情報ですが、オンライン上での確認は難しく、現地で探して得られる情報でしょう。そこで、私たちのグループは「効率的な文字情報の収集とその活用」の課題でプロジェクトを開始しました。「街の膨大な文字情報から必要な情報だけを抽出して地図に落とし込み、誰もが使えるシステムを作ること」が目的です。

Q3 :課題解決に向けてどんな活動をしたのですか?

1年の活動期間を3つに分けて行いました。
(1)フィールドワーク
 まずは、街中で見かける文字情報にはどんな種類があるのかを調べました。場所は、長崎市の人気観光エリア南山手を選び、 看板やポスター、表示板などの文字情報の写真を全て集めました。そうすると、情報は無秩序で、必要な情報と必要ではない情報とが混在していることに気がつきました。

(2)写真分析
フィールドワークで撮った写真を分類すると9項目になりました。絵、設備情報、商品広告、決済、お店の看板、 標識、案内、店の広告、お知らせの9項目です。そのうち、事前情報として必要と判断できる内容を分析しました。

(3)システム開発とサービス考案に向けた調査
 文字情報を反映させるシステムを開発するために、どんなソフトを活用すべきか調査した結果、「ArcGIS(アークジーアイエス)」というソフトに行きつきました。誰もが簡単に情報共有できるプラットフォームで、機能もとても高いソフトだと判断しました。

 しかし、ArcGISの発見までで、1年のプロジェクト期間が終わってしまいました。今後は、このArcGISを使って、どんなサービスが提供できるのか、ビジネスとして発展できるのかを考えていきたいと思っています。

Q4:3年次からは選択科目になるPBL。受講しますか?

 受講します。1年次、2年次、いずれも全力で取り組んだけれど、不完全燃焼な部分があります。特に、今回の課題は目指すゴールが見えています。最後まで取り組みたいと思っています。
 来年度参加すると、2年生と一緒にこの課題に取り組むことになると思いますが、人が増えることで、それぞれの得意分野に別れて開発を進めることが可能です。私はシステム開発よりも、システムの活用法を考える方が得意だから、サービス面考案に力を注ぎたいです。最終的には実用化まで持ち込みたいですね。

Q5:PBLでどんな点で成長できたと感じていますか?

 多くの方々に支えていただきながら、社会貢献のための力を養っていると感じます。例えば、解決案を持っていても、企画案にまとめて誰かに伝えることが難しくて、最初はできませんでした。そんな時、企業の方が「まとまっていなくてもいいから、何をしたいのか話してごらん」と手を差し伸べて下さいました。案を話すと、面白いと評価して下さり、実現させるためのルートを指し示して下さった。それは、PBL指導教員の瀬戸崎先生、北村先生や、情報データ科学部の先生方も同じで、実現させるための実践的な指導をしてくださいます。学生だけではできない、手応えのある成功体験を得られる、そんな環境がPBLにはあると思います。

↑矢嶋さんグループの最終発表会資料。

来年のプロジェクトにも期待しています。矢嶋さん、ありがとうございました。

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