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実家でコロナ発症。そのとき遠隔で何ができる?

タイトルが若干大事に見えますが、最近の記録。

一応致命的にはならずひと区切りはついているけれど。
実家でコロナ感染が発生し、ヒヤヒヤした数週間を送ったときのこと。

離れた場所に住む実家でコロナ発症が確認され、それなりにしっかり療養を余儀なくされたとき、心配しながらもできることって何だったのだろう。

実際に自分が遠隔で対応した状況とかを残しておこうと。

あくまで個人の記録です。そこには立場や環境の違いから様々な反論や意見あることは置いといてという前提。

この記事の簡単な結論

まず、タイトルに対しての簡単な結論やポイントについて。

・今、コロナについて遠隔からできることは「ほぼない」。
・強いて言えば「調べもの」と「買物代行」、「精神面の寄り添い」
・遠隔での最大の武器は、冷静に状況を判断できること

実際自分が様々な対応や連絡やりとりをしていた中で思ったことは上記。

すごく冷たい感じもするが、裏を返せば、
『いろいろやってやりたかったが、これくらいしかできることがなかった』
ということだった。

なので、何もできないことを悲観的に思う必要がないと捉えて。

ここからはだらだらと日記的になります。

実際かかった人がどういう環境で療養するのか?どれだけ苦しいのか?といった点は少な目に、あくまで遠く離れて対応している人の目線を優先して書きます。この点は実際に発症した人の体験談があると思いますので。

状況概要

私は実家を出て生活しておりますが、実家には父と母と妹が住んでます。

発端は父が職場内の感染に巻き込まれたこと。そのまま3人とも家庭内感染という形を辿りました。

父が発症し、陽性判定とともに家の中で隔離生活をしていましたが、ホテル療養ができるとのことでホテル入所。

しかし入所までの間に最低限の世話をしていた母が1週間後に陽性判定。その母も自宅療養の後、ホテル入所が決まった。

そのまた翌週、妹も陽性判定に。自宅療養を経てホテル入所となった。

父と母はホテル療養だけで終わらず、入院にまでエスカレート。
肺炎になりましたが、ふたりとも少量の酸素吸入をするまでくらいでなんとか回復。俗に言う中等症といったレベルだったと思われます。
まだ完全に体調が戻り切ったわけではないですが、病院のお世話になる必要は無くなったという感じです。

妹は若かったからか、軽症レベルでホテル療養のみで帰宅できました。

しかし、入院に至るときなどは、施設側から連絡を受け、その度にヒヤヒヤしていたというのが正直なところ。深夜に電話がきたときもあった。
※緊急連絡先になっていたので、病院へ移動するときは連絡を受けていた。

そんなこともあり、今全員が家に戻れているのが本当によかったと思える。

たぶん発症後のフェーズの一例としてはこんな感じ。

発症の疑いが出た

保健所に連絡し指示を受け、PCR検査実施
↓ (陽性判定が出ると)
熱や呼吸状況等確認が保健所から入る。ひどくなければ自宅待機。
↓ (熱が出たり、倦怠感や味覚障害等出るなどの軽度症状が続くと)
保健所よりホテル療養の手配がされる。
↓ (血中酸素濃度が低いなど、療養中の状況が悪くなると)
病院への移動がホテル駐在の医師から判断される
↓ (病院受け入れ先が見つかれば)
入院。症状に応じいろいろと処置・治療や経過観察がされる。

無論ひどくなればこの先のフェーズもあり得る。
ただ、TVでいろんなニュースをみていたからか、ホテル手配や入院先がすぐに決まっていくことは幸運に感じた。

心配だったのは3人とも『基礎疾患あり』にカテゴライズされていたこと。
常に『急変』という言葉に怯えながら、毎日連絡をとっていた。

最初の発症連絡から、全員が家に戻ったその日までは、延べ1か月弱ほどの時間が経っていた。


離れた家族に向けてできること

前述の状況の始まりから終わりまで、私は離れたところから連絡を取り合うことを続けていました。

ただ、相手はまだまだ未知の感染症。
直接的な対処法や薬があるわけでもない。何なら現場にいる医療関係者の方もそのような状況で対応せざるを得ない状況。

事実、入院中でも基本的には隔離による経過観察が主です。肺の炎症値や呼吸状態を落ち着かせる方法はあっても、ウイルスに対しては自然消滅を待つしかない。今でこそワクチン候補となる薬が生まれつつありますが。

そんな中、実家から離れて暮らす息子に何ができたのか?前述した結論に立ち戻る。

・今、コロナについて遠隔からできることは「ほぼない」。
・強いて言えば「調べもの」と「買物代行」、「精神面の寄り添い」
・遠隔での最大の武器は、冷静に状況を判断できること

正直、遠隔にいる素人は家族といえどできることはほぼない。送る薬があるわけでもなく、感染の危険があるために看病や見舞といった世話もNG。
訪問される側もたまったもんじゃないし、無理して会いにいったところで何の意味もないのが事実なので、もどかしい以外の何者でもない。

そんな中、まだ実施できたことが

・調べもの
・買物代行
・精神面の寄り添い

といった感じ。

まず、発症したときは病人自ら適切な機関へ相談することが必要。
どこに、どうやって、いつ相談すればいいかって、意外と迷う。
結論としては保健所任せになるのがほとんどではあるが、そういう「適切なところへの迅速な相談」をやり切らせるための誘導・サポートは遠隔からでもできた感じ。場合によっては代わりに電話してもいいのかな?

また、自宅療養中にどうにも熱が下がらない、なんかおかしい気がするけど致命的状況まではいかなそう、救急車呼んでいいものか?みたいな感じのときに、とりあえず相談できるようなダイヤルを教えてあげたりとか。

何か直接処置ができるわけではないけど、やっておいて損のないことをしっかり完遂させられるようにするのは、助けになるのかもしれない。

あとは、自宅療養中の生活必需品のサポート。
食品や消耗品といった生活物資が必要だけど体力的や周囲影響的なものから家から出にくい状況なので、アマゾンやネットスーパーで代わりにやってあげる感じ。

うちの実家はあんまりインターネット利用が盛んではなかったので、この辺は割と請負ました。そして思ったのが、現代のネットスーパーがすごく便利だということ。

店にもよるけど、最短で当日中もしくは翌日の指定時間には注文商品が輸送されてくる。しかもラインナップもしっかり揃っており、少量対応も可能。代わりに支払もできるし、これは意外と助かったと言われた。
ホテル療養時の備品は基本自分で準備しないといけないということもあり、この点も助けになったとのこと。

今回使ったのはイオンネットだったが、実家の近くにはその他もいくつかスーパーがあり、そのどれもがネットスーパーやってることも驚いた。
送料かかるけど、普段使いも便利にできるような気がします。一度調べてみ
てもいいのでは。


そして、精神面の寄り添い。これは本質的ではないかもしれないが、一番やりやすくて最も支えになる項目。

もちろん、電話で状況聞いて励ますっていうのもあるけど、それ以上に大事なのは「落ち着いて情報を整理してあげる」ということだと思った。

父と母は入院にまで進展したが、入院するともちろん診察や検査します。血液検査やCTとかレントゲンとか。

もちろん診るだけじゃなくて、医師の方から説明を受けます。

そのときに結構な情報量が来るんですよ。しかも医師の先生としては「大丈夫です」とか「治ります」っていうような言葉は、なんかあったときに無責任になってしまうので、これらを言うことは少ない。それ以上に、エスカレートしたときの"仮定"の話がしっかりされる。

例えば、
『今は数値○○の状況ですが、もしかしてこのまま悪くなると肺に直接管を通して空気を送る対応(気管挿管?)、それでもだめならECMOとか使うことも予想されます。もしその際、仮になんらかの理由で心肺停止状態となった場合、本来なら心臓マッサージを必要としますが、コロナ感染防止の影響から迅速な対応が取れないこともあります。また、治療に際しては患者さんの身体的な負担についても了承いただく必要があります。』

みたいなことを説明受けるんですね。淡々と。

この説明って後で緊急連絡先になった私も受けましたが、聞いたときってすごく怖くなりました。もう助からないのかな、といったタイプの感で。

ましてや、療養状態で思考整理の劣化してる状態の人が聞くとなおさら。

実際にうちの父親は何故か「もう施す手がない」と勘違いし、何が起きても経過観察のみで治療についてはやらないようにしようかと思うと連絡されたこともあり、必死で話をかみ砕いた覚えがあります。

・「事実」と「可能性」の話を分けてあげる。
・今これからやるべきことを整理する
・治療に対する想いを伝える

 ※治療は本人や家族の了承がないと実施できないため

上記が冷静にできるのも遠隔ならではなのかと思いました。

その場の返答で、

『いろんな可能性の話はあったけど、今は数値○○だという事実しかなくて、今後ひどくなったら気管挿管やECMO使うけど、何もなければ酸素投与だけなのよ!負担についても話してたけど、よく先生の話聞いたらあなたの年だったらたぶん耐えられるって感じなのよ!何か起きたら少なくとも治療しない限りは治らないよ!だから治療はしっかりやってくれ!頼むから!』

みたいな感じでまさかの熱弁をした。
すると普段は口うるさい父親がおとなしく従うという珍しい経験をした。
結果的にはそこから治療レベルが上がらなかったので何ともですが。

なので上記を経て、次に母親の入院が決まったときには、必ず検査結果を聞いた後は自分に電話してくるようにということを決まりにした。
母親も同様に漠然とした不安を受けたので。性格にもよるのかもしれんが。

加えて、話を聞いた後に思ったのは、こういう対応を繰り返す医療従事者の方ってすごい大変だということ。「どうなるかわからない」ことをはっきり伝えないといけないし、うだうだ言う患者や関係者の話を聞きながらも、しっかり療養のサポートをする、、しかもまだ事態は収束せずズルズル、、となるとこれは恐ろしいことだと思った。感謝しかないです。

ちょっと話はずれたけども、当事者はあたふたしているところだから、現場にいない人の方が冷静に事を整理することがやりやすい。同じ家にいたりとかして同じ空気の現場にいると、焦ってる雰囲気や直面する事実に釣られてビビっちゃったり落ち着かなくなったりする可能性もあるかもと。

遠隔だからこそ、落ち着いてサポートできるように心がけておくというのが出来得る一番の助けなのかもしれないです。


(個人的な余談)今回の件で思ったこと

その他余談として思ったことを。
・家庭っていいなと思った
・今後の感染対策の取り組みについて

前者。
事象自体はよくないことなんだけど、乗り越えるにあたっては、『自分⇔実家のみんな』と『自分⇔奥さん』のやりとりが染みた感じ。

実家の家族といえど、ここまでじっくり労るってのはなかなかないことだったので、温かい気持ちになった瞬間もあった。

加えて、遠隔で暮らす私の精神も不安定だったときもあったわけです。とにかく落ち着かなくてうだうだ感を出して。

そんなときに、家族にできることをより冷静に考えてくれたのは奥さんだったりします。私自身の話を聞いてくれるのももちろんのことで。

そういう意味でも、家庭っていいなあと思ったのがひとつ。

後者。
やっぱり今回の件からは、「家庭内感染ってすぐに広まる」ということが顕著に実感した。

もっと言うと、家庭内感染のきっかけになるのは「職場から誰かがウイルスをもらってくる」ということ。

飲食店などは営業制限により経営を圧迫されながらも、当初ほどの感染報告は出なくなった。となると、次は一般企業の営業制限なのではないかと。

やれ「業務が回らない」だ「リモート設備が準備できない」だとかうだうだ出るかもしれないが、出社業務が今一番のリスクだと思うし、出社が減れば路上吞みとかも減る要素のひとつになるんじゃないかとも。

なので、理想を言えば一般企業についても
・完全リモート業務させ出社制限を行う
・できないなら休業
・そんときは休業補償をかける
・むしろ働かなくて済むようにお金配っちゃうのも、、

みたいにしてもいいのではと思う。
飲食店はリモートにできないから時短や休業対応していると考えると。
無論常識の範囲内でリモート不可な業務もあるので、そこだけ最低限稼働させることを前提に。無駄な人流を削るという感じで。

あくまで個人の感想です。やりたくてもできない現状もあるとは思うが。


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まだまだ、収束には時間のかかりそうなコロナ渦。

感染しないに越したことはないけど、対策しててもなるときももちろんある。そのときどう動けるか。という話でした。

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