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2024.1.11 枕もとの黒いスコーン


 YouTubeで、若者3人が夜中にピザを食べながら話をしている動画を見ていて、だらだら話している感じ、ああ、こういう感じは懐かしい、かつては自分にもあった時間、と思った。
 友だちの家ではだいたいゲームをしていた。それか、漫画を読んだり、雑誌を読んだり。畳の上で寝そべったり、座椅子に座ってパワプロをやる友だちを斜めうしろで見ている自分、というのが思い出される。
 夜中になにかを食べる、ということも、今はほとんどない。
 20代のころ、週に1回ぐらい、わたしは夜中に目が覚めて、なにか食べて、そのまま寝てしまう、という習慣があった。ほとんどは覚えていたけれど、覚えていないこともあって、パン屋で働いていたころ、余ったブラックスコーンという炭みたいなスコーンを夜中に無意識で食べて、起きたら枕のまわりがブラックスコーンの黒いカスまみれになっていてびっくりしたことがあった。

 富岡多恵子の詩集を読んでいて、「ニューヨークではなにもすることがない」という詩が、タイトルからしてかっこいい。あと、「二匹の犬と」という詩で、最初「二匹の犬をつれて」いるんだけど、途中で「一方の犬を射殺する」とあったあとにすぐ、「ふたりと二匹の犬と」となっていて、別の犬を連れてきたのか、射殺した犬が死んでいなかったのか、もともと射殺などしていなかったのか、そのどれでもないのか、こういうところが、詩っていいなあ、と思う。 

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