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【物語る句】猫と友人帳の巻〜「夏目友人帳 壱」を基に

猫と友人帳の巻

万緑を駆け抜く猫と友人帳 

 露神の祠ひかりへひらき

八ツ原の怪人まなこ温かく

 真夜にまみえし時雨と少女

友の名を呼べば心色の切符

 水底の燕永遠にはにかみ

子狐のぼうし夕焼を翻し

 「好きよ」と触れる儚い光

涼風にあやかし祓い微笑めば

 月の音零すアサギの琴よ

ヤケ酒とケンカとニャンコ徒然帳

 五日印は霧に散りゆく 

山の辺の秋の夜宴はさざめきて

 少し近づく言葉も友も


【おことわりと御礼】
お読み頂き、どうもありがとうございます。
本作はアニメ「夏目友人帳 壱」全13話のタイトル(猫と友人帳、露神の祠……以下同)を入れ込んだ13句+ラストはオリジナルの1句で、壱の世界にインスパイアされて詠んだ全14句で構成しています。
インスパイアなので、物語どおりの描写ではない部分もあると思います。
あらかじめご了承願えれば幸いです。
(ファンの方で不快に思われた方がいらしたら、申し訳ありません)
【追記(2023/7/1)】
7/5(水)深夜、アニメ「夏目友人帳 壱」全13話がテレビ東京で毎週再放送されます。
詳細は下記HPをご覧ください。
http://www.natsume-anime.jp/info_onair/20230623/

★物語る句、について
「物語る句」は、著者が創った造語です。
連句という「5・7・5」「7・7」を繰り返す詩の形式を借りて物語風にした詩を「物語る句」と独断で定義しています(言葉により5・8・5や8・7等も有)。
なので、ラストは7・7で終わる必要があり、14句目をオリジナルで作成しています。

過去の物語る句の作品はコチラに、連句についてはコチラに掲載しております。宜しければ(連句の記事は長いので読み飛ばしてくださいませ💦)。

★なぜ、詠もうと思ったか
「夏目友人帳」の各話タイトルは「時雨と少女」「儚い光」など抒情的で美しいものが多く、以前から素敵だなあと思っていました。
また「秋の夜宴」の「秋」、「時雨と少女」の「時雨」など季語が入っているものが割とある(時雨=冬)。
さらに、タイトルの音数が5音調や7音調が多い。

「これって、句にできるなあ」
季語を用い575に基づく俳句を作る人間として、自然とそんな思いがふくらみ、そこから言葉が出てきました。

本当は自分のフィールドの俳句で作品群を並べられたら良いのですが(20句作品「初恋の悪魔」のように)、じっくり時間をかけて、原作・アニメを尊重できる納得のいく言葉や発想を自分の裡に見つけたい。そのうえで、いずれきちんと俳句の作品群として詠みたい。そう思っています。

★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆

現在、第六期まで出ているアニメ版・夏目友人帳。2023/7月時点のニュースによると、第七期の制作が決定したとのことで嬉しい限り。
物語る句としてこれからも詠んでいきたく思います。

本作をこの世に生み出し、送り出してくださった原作者・緑川ゆき氏、
アニメ「夏目友人帳」の制作スタッフの皆様に感謝申し上げます。

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