見出し画像

3年間、大好きな元カレと復縁したかった私の話

「奈月さんはお仕事も、恋愛も自分にはないものを持っていて羨ましい」

そんなメッセージを頂いたので、そろそろ私の暗黒期を成仏させるときが来たか、と思い、筆を取りました。

前置きすると、無駄に長いです。イライラすると思います。それでも良ければ聞いてください。私の3年間に及ぶ戦いを。

===============================

2年半付き合った人に振られた日

画像1

忘れもしない社会人1年目の夏、大好きだった彼氏に振られた。

大学生のときに出会った彼とは、一緒にいるだけで楽しくて、安心して、ずっとこの先の人生も共に歩んでいくのだと信じて疑わなかった。

でも、そんな気持ちも悲しいことに2年半が過ぎるとだんだんと冷めていってしまった。

些細なことで始まる喧嘩や、素っ気ないやり取りのなかに「おわり」の3文字が見え隠れしていたし、それはお互い感じ取っていたと思う。

「好きじゃなくなった」 

いつか、そう言われるのは心のどこかでわかっていたので、あまり驚かなかった。

でも、仕事終わりでヘトヘトになっているところにその言葉を面と向かって言われてみると、かなりのダメージを食らった。

彼は学生だったし、「社会人の水曜日の夜」を選ぶ無神経さにイライラした。

正直、言いたいこともたくさんあったし、「好きじゃなくなった」理由も根掘り葉掘り聞きたかった。

でも、「おわりを綺麗にしないと引きずる」とどこかで聞いたことがあったので、とりあえず聞き分けの良い女になることにした。

「わかった、今までありがとう!」

心のどこかで、あっさり引けば追いかけてくれるんじゃないかと期待していたんだと思う。実際、彼は少し驚いたような顔をしていたし。結局、ふたりで泣いてお別れをした。

我ながら美しい最後に仕上がったな、と頭の片隅でぼんやりと思いながら爽やかに手を振って公園を立ち去った。

しかし、この「言いたいこと」を飲み込んだことで、私はこの日から3年ものあいだ”元カレに未練タラタラ女”になることになる。 

「冷却期間」という曖昧な概念

画像2

馬鹿なので、泣きながら帰るとすぐに「復縁」というワードでありとあらゆるWebサイトを調べた。

たぶん、大体の記事は読み漁ったと思う。「元カレと絶対復縁する方法!」とか。

そのなかで何度も出てきたのが「冷却期間」という言葉で、向こうから連絡が来るまで、一切連絡を取らずに距離を置くのが有効らしいというものだった。

どうやら復縁界隈ではスタンダードな方法らしい。

期間は明確に定まっていないけれど、大体3ヶ月くらいとのことで、まぁそのくらい空ければ向こうから復縁の連絡が来るだろうと踏んだ。

だって、あんなにお互いとても仲良しで、あんなに好きと言ってくれたんだから。

幸か不幸か、男性に振られる経験は、はじめてで、「この私を振るなんてありえないわー」とすら思っていたと思う。

自分は今まで相手に散々別れを告げてきたくせに、いざ自分が振られるとなると、全然受け入れられなかった。認めたくなかった。

その後は、同じコミュニティに属していたこともあり、別れてからも何度か会った。一緒に帰ったこともあった。

「戻りたい」

その言葉を言いかけては「ダメ、今は冷却期間!!」とぎゅっと飲み込んで「最近どう?」なんて平然と接する日々が続いた。

でも、とうとう戻ることはなく、秋になって人伝いに新しい彼女ができたことを聞いた。

希望がゼロになるとはこういうことか、と思い、目の前が真っ暗になった。

「冷却期間」なんて取ってる場合じゃなかったじゃん!!!!って。 

そもそも、復縁する方法なんて全人類に適合するわけがない。それなのに鵜呑みにしちゃうあたり、失恋後は思考停止してるのだ。本当にばかだと思う。

「好き」と言ってくれた人に嫌われる

そこからの毎日は、冗談抜きで本当に地獄のようだった。

頼んでもないのに夢に出てきて、前みたいに普通に笑い合って、「ごめんね、復縁しよう」とか言われて、目が覚めて「ああ、また夢か…」と落ち込む。

今考えれば絶対にやめたほうがいいのにFacebookで彼女らしき人を検索して「可愛いな…そして私はブス」と落ち込む。

消そうにも消せない写真の数々やラブラブだったころのLINEを見返して「どこから狂い始めたんだろう…」と落ち込む。

通勤途中に車窓から見える多摩川を見て思い出がフラッシュバックし、「思い出だらけでもうどこにも行けない」と落ち込む。

誕生日に一晩寝ずに考えた「なんの気もなさそうな文面に見えるLINE」を送り、「ありがとー!」という一言の返信に落ち込む。

「元カレに未練タラタラな自分を見て友だちはきっと呆れているんだろうな」という事実に落ち込む。

しかし、どんなに落ち込んでも朝は来るもので、ボンヤリと重い頭を振って会社に向かう日々が続いた。

学生だったら全部ぶっちして寝ていたに違いない。社会人ってなんて辛いんだろう。どんな不幸があっても仕事しなきゃいけないなんて。

そもそも、たったひとりの人に、どうしてこんなにも苦しめられているんだろう。

「好きだと言ってくれていた人に嫌われる」 

ただそれだけのことが、こんなにも辛いなんて思わなかった。今までバッサリと振ってきた人たちにも申し訳ない気持ちが募ってきた。

こんなにしんどいならもう恋愛なんてしたくない。

何なら恋愛という概念がこの世から消えてしまえばいい。

当時のわたしには街ゆくカップルも惚気てくる友だちも何だか目障りで、カラオケで無駄に失恋ソングを歌ってくる子に無性にイライラして、「時が解決するよ!」とか言ってくる先輩にも、「は?私の気持ちの何がわかんの?」とか悪態をついて、そんな自分も嫌で、どんどん自分のことを嫌いになっていった。

自殺願望すら芽生え、「振られただけで人をここまでドン底に突き落とす恋愛って最悪だな」と思った。

転職と美容アカウント

画像3

そうしてウジウジしているあいだに1年が過ぎた。

さすがに「このままじゃダメだ」と思い、ぬるま湯のような職場から、ハードな職場に転職することを決意した。

吹っ切れることを切に願いながらがむしゃらに働いて、毎日のように集まりに顔を出して、出会いを増やした。

外見を磨くために、美容アカウントを作ったのも、たしかこのあたりだったと思う。

「元カレに振ったことを後悔させてやる」というのが最初のモチベーションだったのだ。 

でも、そうやって環境を変えても、人付き合いを変えても、綺麗に着飾っても、心のなかのシコリは消えず、このまま一生この人を引きずりながら死んでいくんだろうか、と思ったくらいだった。

「まだ引きずってるの⁉︎」と友だちのなかでも、もはや自分のなかでもネタと化していたし、年上の先輩から「私は7年引きずったよー」とか言われて絶望した。

忘れるための努力もめちゃくちゃしたし、他の人を好きになろうと頑張った。

それなのに、忘れかけたころにひょっこり夢に出てくるし、気になる人ができてもつい比較してしまうし、街で似た人を見かけるとじっと見てしまう。

忘れろと言われても、どうしろって言うんだろう。

“好きじゃなくなった”理由

画像4

「彼女と別れたんだって」 

しばらくして、友だちから元カレの話を聞いたとき、心がざわついた。

別に別れたからって、私を好きになったわけじゃない。チャンスがあるわけじゃない。

それでも、こんな思いを一生抱え続けるくらいなら。

意を決して、何の気なしを装ってごはんに誘った。

今思い返してみても本当にフツーの食事会だったと思う。あんまり何を話したか覚えてないけど、「やっぱり変わらないな」とか「やっぱり脈なさそうだな」とか「やっぱり好きだな」と思って梅酒ロックをばかすか飲み、とうとう何も起こさずに終わった。チキンだった。

変な話、私がここで気持ちを伝えなければ、これからもずっと私は「いつか復縁できる」という淡い夢のなかで生きていける。

それは不幸だけど、辛い現実を知るよりもずっと心地よいことだ。

でも、それじゃあこの呪いは一生とけない。だから、言うしかない。

家に帰り、一呼吸置いてから元カレに電話をかけた。お酒の力を目一杯に借りて、「実はまだ好きなんだ」と正直に伝えた。

気付けば、別れてから2年半が経とうとしていた。私が元カレだったら普通にビビる。我ながら愛が強すぎる。

でも、それでも私はこの男から離れるためにどうしても聞かなければいけないことがあったのだ。

「”好きじゃなくなった”って言ったじゃん。それって、なんで?」 

ずっと考えていた。

顔が可愛くないからか。
すぐに落ち込むからか。
時間にルーズすぎるからか。
いっぱい振り回したからか。
ワガママを言い過ぎただからか。

挙げればキリがないけど、別れ際に聞きそびれたからこそ、2年半ものあいだ自分を責めて、空回りの努力もして、変わればまた好きになってくれるんじゃないかって無駄な期待を抱き続けた。

そんな負のループから逃げたかった。

彼は「何かきっかけがあったわけじゃないし、ここが悪いってわけじゃない。時間が経つにつれて、そう思った」と言った。

「好きだったけど、今は戻りたいとかは思ってない」 

昔と変わらない穏やかな声を聞きつつ、「本当に終わったんだなぁ」とぼんやりと思った。でも、不思議と気持ちはスッキリとしていた。

いくら転職して仕事のできる女性になろうが、外見を磨いて綺麗になろうが、自分勝手なところを直そうが、彼の気持ちが戻ってくるわけではなかった。

でも気付けば、復縁できなくても、私は私のことをちゃんと好きになれていたのだ。 

その後、無駄に3時間くらい話をして、最後は「元気でね、ありがとう」と電話を切ることができた。

そこから、「復縁したい」と思うのをやめた。

今だから伝えられること

画像5

元カレを好きな気持ちはすぐには消えなかったので、街で似た背格好の人を目で追う癖はなかなかなくならなかったけど、夢に無駄に出現することはなくなった。

そうして別れて4年が経ち、はじめて好きな人ができた。 

正直、あまりに引きずりすぎてもう無理だと思った。20代だけど、既に独身でいる決意すら固めていて、母には「私は無理だ。妹に望みを託そう」とまで言ってあった。

だから今、成仏の意味も込めてこうして筆を取っている。

きっと今これを読んでいる人は、恋愛に悩んでいる人なんだと思う。あるいは恋愛を引きずったことのある人か、今まさに元カレと復縁したいと思っている人か。

そんな人に何か伝えられるとしたら、2つある。

ひとつは、ネットや本に書いてあるノウハウを鵜呑みにしないこと。

ネットにはたくさんの情報が落ちていて、いろんな人の復縁事例があるけど、こんなにも人間はそれぞれ違うのだから、当てはまるわけがない。というか冷却期間3か月って何が根拠なんだ。冷静になってみれば、でたらめなことだらけだ。消しゴムケースに好きな人の名前を書いて使い切るのと同じレベルの迷信でしかない。

相手の状況を見て、チャンスがあるなら自分の気持ちを素直に伝えてみる。それに尽きると思う。

ふたつめは、言いたいことは別れ際に言っておくこと。 

これを我慢すると大変引きずる。特に別れの原因をクリアにしておかないと、「自分のダメだったところ」を自分だけでぐるぐると考えてしまい自己肯定感が著しく下がる。どうせならちゃんと聞いて、謝って次の恋愛に活かすべき。PDCAをまわすべき。

「綺麗に別れる」って喧嘩せず聞き分け良く別れることじゃなくて、「未練が残らないように伝えたいことは伝えて綺麗に別れる」って意味なのである。

どんなにインターネットを漁っても、復縁マニュアルを読み込んでも、確実に復縁できる方法なんてない。

そんなことわかっててもつい調べてしまうよね。「出会いが足りないんだよ!」って言う友だちに「うるせぇ」と声を荒げたくなるよね。逆に成功した人には話を聞きたくなっちゃうし、忘れたくても忘れられなくて死にたい夜がたくさんあるよね。

でも、復縁できなくても、復縁するために自分を磨いた努力は絶対に裏切らないです。 

私は100人規模のぬるい中小企業からメガベンチャーに就職して給料が2倍くらいに増え、いろんなコミュニティに顔を出した結果、友だちや知り合いも美容課金して髪も肌もピッカピカになり、自分磨きのために作った裏垢は、いまや50000人の方がフォローしてくださるようになりました。

だからと言って、あー!振られて良かったー!元カレありがとー!!とは死んでも思わないけど、負のエネルギーをうまく自分磨きの方向にぶつけられて本当に良かった!!と思っています。

そして、いつになるかわかんないけど、ぜっっっったいにもっと好きな人が現れます。

私は4年かかっちゃったけど!!でも絶対に大丈夫。生きていれば大丈夫です。

だから、どうか言いたいことは早めに伝えて、ダメだとしても自分のことを責めすぎず、泣きたいときに思い切り泣いて、自分の好きな自分になれるような正しい努力をしてください。特に仕事と美容は絶対に裏切らないからね!!!!! 

というわけで、最後までお読みいただきありがとうございました。

皆さまが素敵な恋愛ができますように。
そして自分の好きな自分になれますように。

奈月(@cutiecutiey)でした。

いいなと思ったら応援しよう!