#嘘
【小説】業務上における過失
霧
「迷いの霧?」
狭い工房には、アルトリア・キャスターと、オベロン・ヴォーティガーンと、工房の主人であるダ・ヴィンチが顔を突き合わせている。ダ・ヴィンチは眉をひそめた。
「そう、迷い霧。」
今度はアルトリアが眉をひそめる。
「でも、私たちはなにも見ませんでしたよ。ねえ、オベロン。」
「そう?俺はよく覚えてないけど」
アルトリアが空気を読め、とでも言いたげに顔をしかめた。
ダ・ヴ
【小説】捻くれ者の復讐劇
「一体君はいつまでごっこ遊びを続けるつもり?」
再び板張りの廊下を歩いていると、後ろをついてきていたオベロンが口を開いた。
「……帰れるまで」
振り返らずに答えたわたしに、オベロンはやれやれ、といった様子で付いてくる。足音のテンポが少し速くなった。
「『特異点を解消するまで』じゃ、ないんだ?」
その言葉に立ち止まる。確かに言われてみればその通りである。でも一瞬、ほんの瞬きの間、わた