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お江戸スタイルブック no.013

江戸時代後期を代表する役者
三代目 尾上菊五郎。

江戸男子の防寒もモコモコで可愛いのです。
月代が寒いので頭巾でガード。

格子柄の長合羽の裾から中着の着物がチラッと見えるのが萌えです。
足元寒いので股引と足袋。
下駄の爪先には泥除けつき。

勝川春扇『江戸八景の内 隅田川暮雪』より


三代目 尾上菊五郎は、私の推しです。

彼はエピソードに事欠きません。
それぐらいキャラが濃く、周囲を魅了した人物だったのかがわかります。

文化文政期(1804〜30)は、特に良い役者が揃っていました。
七代目 市川團十郎、五代目 岩井半四郎、三代目 坂東三津五郎、五代目 松本幸四郎、などなど。
まさに江戸歌舞伎の黄金期ともいえます。

三代目 尾上菊五郎は、初代 尾上松緑の養子で、
元は江戸小伝馬町の建具屋の息子でした。

まず人気の理由は、その美貌。
彼はとんでもなくイケメンだったといわれます。

楽屋の鏡台に長らく独りで向かった菊五郎が、ため息と共に
「あぁ、俺はどうしてこうも、いい男なのだろう‥」
と呟くと、それを聞いた周りの者はみんな
「そう思うのももっともだなァ」と言った。
というのは、あまりにも有名な話。


引用元の浮世絵は、使えそうな画像が見つかりませんでした。
おそらく個人蔵なのかな、と思います。

勝川春扇(生没年不詳)は、江戸の浮世絵師で
勝川春英の弟子。勝川春章の孫弟子にあたりますね。


『浮世絵 百花繚乱 女の装い・雪月花・ファッション』
という展覧会図録に載っていたものです。

この展覧会は、2002年10月〜2003年1月まで
大丸ミュージアムKOBEで開催されていたそうです。


この図録のp74、75に載っていますので、ご興味のある方はぜひ。
今でもお手頃な価格で、古本で手に入るかと思います。


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