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なんかおかしい世間の認識

最近「HSP」というワードがトレンドである。
HSPとは「HighlySensitivePerson」の略であり、非常に感受性が高く、敏感な気質を持った人たちのことを指す。

このHSPにもどうやら特殊なタイプもあるらしい。

それが「HSS型HSP」というもの。

最初聞いたとき「新種のウィルスか?」と素直に感じたがもちろんこれは特性であり、ウィルスでもなんでもない。

HSSとは「HighSensationSeeking」の略であり、訳は「刺激探求型」とされている。つまり好奇心旺盛だけど敏感気質な人というわけだ。

言葉だけで見ると矛盾しているようだが、これは気質や特性であるため本人たちも理由は分からないし、制御できていない。

では、HSPだとどんな違いがあるのか?

よく言われているのは「ささいなことでも気にしやすい」というもの。
どこまでの些細なものなのかというと情報ソースによって様々だが、例えば「他人の会話が自分のことを言われているかのように感じる」や「話し中に相手が眼鏡をクロスで拭くのが気になる」などといったことが挙げられる。つまり「普通なら気にしないことでもHSPの人は気にしてしまう」というわけだ。

苦労をしているのはわかるが、かといって「そんなの気にしなくていいよ」と言っても意味がない。何故なら「勝手にそうなってしまっているから」である。自分が気にしなくてよいのは分かっているけれど、どうしても気になってしまうというのがHSPの特徴である。

心理学をやっている人なら気づくと思うが「え?それって不安障害じゃないの?」とひっかかるかもしれない。僕もそう思った。

ちなみに不安障害はDSM5で全般性不安障害と呼ばれているが、この説明では「特定の状況に限定されない、漠然とした不安や心配が長時間続き、心身に異常をきたすもの」としている。やはり違いが分からん。

現状HSPは病名でも症状名でもないため、診断は下りない。HSPの代わりとして不安障害などの診断が下りることになるのかもしれない。どうなんでしょうね。

これはきっと違う気がする

「この人はHSPだから、皆も配慮してあげてね」

「HSPだから気になることもある」

何かと言い訳として「HSPだから」を使うようになってきているんじゃないか?確かにHSPというなら少しのことでも気になるし不安になるかもしれない。

けどそれは薬物療法でも心理療法でも効果的なものは今のところ見当たらず、ただ「配慮してあげる」だけにとどまっているのが現状である。

もちろん配慮するのは大事である。

ただ、一つ気になるのが

「HSPでないひとがつらくなる環境になるのはおかしい」

ということである。

例えば、ある集団で1人がHSPだったとしよう。

その人を他の人が支えてあげるというのならわかる。

しかし、逆に1人だけHSPではなく、あとの全員がHSPだったらどうだろうか。少なくともその1人はそこの集団でいるのが辛くなる。

このように多数派の特性によって、少数派が淘汰される構造は病気であれ性格であれ、ある意味弱肉強食の世界と何ら変わりないではないか。

僕が許せないのは、「病気や特性を盾にして、開き直った態度をとる無礼者の存在」と、「本当に病気や特性で辛い思いをしているのに、そうした無礼者のせいで辛い思いをしている人がいるというこの社会」である。

いつしか誰にでも優しくなれる日は来るのだろうか。

人は知識を持てば予測を立てて行動することができ、不測の事態があっても最小限のリスクで解決することが可能になる。

少なくとも生きている間は勉強が不可欠だ。生涯学習という言葉を考えた人には頭が上がらないといつも思う。


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