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Chess The Musical(ミュージカル チェス)


『チェス』(原題:Chess)は、冷戦をテーマにしたミュージカル。ABBAのメンバーであったベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが作曲し、ライオンキングやジーザスクライストスーパースターで有名なティム・ライスが作詞を担当。ミュージカル初演に先立ちコンセプト・アルバムがリリースされ、なかでもシングル・リリースされた『ワン・ナイト・イン・バンコク』は英米でスマッシュ・ヒット、『アイ・ノウ・ヒム・ソー・ウェル(英語版)』は英国で大ヒットを記録した。演出に変更が加えられながら世界各国で上演される。

外出制限で特にやることもなく、4日目に。大学院の課題も片が付いたので書き溜めしていた記事や最近の近況を更新しようと思う。

『ミュージカル チェス』

チェスはこれまで見たことがない作品だったが、実家の車で学生時代によく聞いていた。作詞のティムライスの作品は名作揃いだし、作曲がABBAと来たら悪いわけがない。

https://youtu.be/5spXLI0izuw


舞台のつくりはとてもシンプル、チェス台があるくらいだ。だが、照明や見せ方が面白くて、意外にもとても満足できた舞台だった。ロンドンで見た小劇場での低予算舞台を思い出した。(お金はかかっていないが質には満足というタイプ) 

音楽学校の発表会を想像して期待せずに行ったのだが、プリンシパルキャストのレベルが思った以上に高くとても満足。

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マレーシアに来た当初は『日本で見ていたような作品が全くない』と嘆いていたが、ここ2年ほどは小さなプロダクションの舞台を楽しむようになった。
昨年はツアーキャストのオペラ座の怪人を除けば、ネクストトゥノーマル(パンプロダクション)が年1で一番良い作品だった。

当たり前だが肌の色や人種で役柄が固定されない
⇒In to the woodsを見た際には赤ずきん役はインド系、アラジン(コメディ版)はアラジンが中華系、ジャファーが中華系と欧米系のハーフ、ジャスミンがインド系(赤ずきんと同じ役者)
・マレーシア産ミュージカルやコピーライトが緩い作品、オマージュ作はローカルネタが盛り込まれている
⇒オラボラ!という現地の作品を見た際には7割マレー語、2.5割英語、0.5割中国語だった。マレー語で話は進んでいくのだが、現地のスラング(口語)は英語と中国語がミックスすることがたまにある。よく聞くスラングで私にでも理解できるレベルだったから、現地に数年住んでいる人であれば外国人でも話は理解できる気がする。もちろんマレー語は憶測で見ていくしかないが、非常にわかりやすい舞台なので言語が理解できなくても存分楽しめた。(弱小サッカーチームがマレーシア初のオリンピック出場に向けて奮闘する物語で映画化し大ヒットした作品のためマレーシア人には非常に人気がある)

・演者との距離が近い
どの作品も小さなプロダクションの事が多く、客席を見ると「〇〇の舞台に出ていた人だ」という事が必ずある。以前にネクストトゥノーマルを見た際には、隣に座った男性がマレーシアでプロデューサーズの演出を行った方だったので、マレーシアでのミュージカル事情などを少し聞く事ができた。「Nice boots」と私のブーツをほめてくれたところから話し始めたのだが、この他人との距離の近さや偏見なく話始める感じが私は好きだ。
今回のChess the Musicalでも列の前にいた女性が「音楽関係者?」と話しかけてくれた。「ただのミュージカルオタクだ」と伝えるとその女性は音楽学校を経営しており、フルートのクラスは日本人の先生がいるという。無料体験でも来てみたら?と誘ってくれた。面白そうだ。自前のフルートをマレーシアに持ってきたが、まずはメンテナンスに出さないといけない。(長年メンテナンスに出していないから綿の交換が必要だ)
実はこの女性の学校のボーカルクラスの先生が舞台に出ているという事で見に来ていたそうだ。二幕に登場した主役の奥さん役だったが、とても良い声だった。

・まだまだの業界
日本は舞台、演劇が一つのジャンルとして確立されているが、マレーシアにおいてはまだまだだ。割と国内でも良いとされる部類に入る劇場でも古さや作りの粗末さが目に付く。小さなプロダクションに至っては下北沢の一角にありそうな空間でパイプ椅子やビーズクッションで見るスタイルのところも少なくない。
演劇文化がもっと確率されてほしいと願う一方で、これまで見ていなかったジャンルの舞台も見るようになり、個人的にはそれなりに楽しんでいる。

2019年に見た作品
Madam Butterfly(蝶々夫人)
The Phantom Of the Opera(オペラ座の怪人)
Next To Normal(ネクストトゥノーマル)
Aladdin(アラジン・シンガポールマリーナベイサンズ)

しばらくの間Social Distancingで舞台は見れそうにないが、またすぐに素敵な舞台が見れますように。



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