みなさん、こんにちわ!
今回も、日本代表 vs ドイツ代表のマッチレビュー(試合後の振り返り)の第5段です。歴史的な勝利について少し時間があいた今、次のワールドカップのために振り返りたいと思います。
今日はサッカー専門雑誌でもやらないような、細かい振り返りなので、耐えられない方はちょっとずつ読むか、飛ばし読みでもいいかと思います。
どっちにしても、ABEMAの本田解説に沿って解説する形をとっていますから、ABEMAのワールドカップのフル版を観ながらみるとよりわかりやすいと思います。
【後半21:41】ドイツのコンディションについて
ドイツ代表は、ヨーロッパリーグがワールドカップの1週間前に終わったばかりで準備ができずコンディションが悪い状態。日本代表にもヨーロッパリーグで活躍している選手がいますので条件同じでしょ、と言えば同じですが、日本の国内組は少し長い準備時間がありましたよね。
さらにドイツではカタールワールドカップの工事で来ていた外国人労働者が過酷な労働のため数千人亡くなったことに抗議し、ワールドカップをボイコットしろ!という意見もあり、精神的にストレスを抱えていたのも事実としてあります。
それにしても、日本のここ!っと決めたときのコンディションの合わせかたのうまさとドイツのコンディションの悪さがよくでていました。
【後半22:38】吉田麻也→酒井宏樹→浅野シュート
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酒井宏樹すごいです。右サイドの攻撃は全て酒井宏樹からはじまっていたといって過言ではないです。
今後速いサイドバックは出てくるかもしれませんが、体のサイズが大きく、キーパーからのゴールキック時のターゲットになる人材はなかなか出てこない気がします。
【後半23:20】日本コーナーキック(キッカー:鎌田)
セットプレーの質を上げなくてはいけない課題は変わらずありますね。
【後半23:28】森保監督は本田解説を聞いている?
森安監督もしくは森安ジャパンのスタッフは、ABEMAの本田解説を聞いてたんじゃないかと、勘ぐってしまいましたが、堂安投入です。
やはり、サイドハーフには逆足のプレーヤーをおいて(右サイドであれば、右と逆の左利きが逆足)、サイドバックには順足のプレーヤー(右サイドであれば、右と同じ右利きが順足)をおくのがいいのかもしれないですね。
それにしても、本田GMは正直です(笑)
【後半24:30】権田4連続セーブ
この試合の分岐点といえる重要なシーンでした。
ドイツとしては、これだけ攻めていてPK以外でゴールが決まらないとネガティブにならざるをえないですよね。ニャブリは最後のシュートが止められたあと、少しショックだったのかうつ伏せに倒れていました。
逆に日本は、決定的シーンを4連続で防いだわけですから勢いがつきます。
【後半25:28】
日本代表交代
田中碧OUT → 堂安IN
突然ですが、『ポリバレント』という言葉を知ってますか?
元日本代表監督(就任期間2006年7月〜2007年11月)オシムさんが使って少し広まった言葉です。『複数のポジションをこなすことのできる』ことを言いますが、ポジションが異なる田中碧の代わりに堂安が入ることにより、誰かが今までと違うポジションをしなくてはいけなくなります。今回は鎌田が左サイドハーフからボランチへ。伊東純也が右サイドハーフから左サイドハーフへポジションチェンジしています。
今のサッカーはこの複数ポジションができるポリバレント性が必須という位に重要です。監督としても、戦術変更のレパートリーが増えますからね。
それができる日本代表は、かなりレベルアップしているとも言えますよね。
【後半25:50】ドイツコーナーキック(キッカー:キミッヒ)
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【後半26:07】三苫さんの活かし方
伊東純也ならできなくはないと思いますが、左ウイングバックはやったことはないでしょう。確か右サイドバックは柏レイソル時代にやっていました。
でも、そもそも左サイドハーフ自体やったこと無さそうなので、伊東純也のポリバレント性には脱帽です。
【後半26:40】遠藤航の4連続デュエル
ここも、この試合の分岐点といえる重要なシーンでした。日本には遠藤航というブンデスリーガ2年連続デュエル王がいるんです。ここで遠藤がデュエルに勝ったことで、より日本の勢いが増します。
【後半27:19】日本ビックチャンス
伊東純也シュート→ノイヤー弾く→酒井宏樹シュート、、外れる
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これは決定的でした。酒井宏樹かうまくシュートができなかったかわかりませんが、枠には飛ばさないといけないシュートでした。
本田GMが試合前にも言っていた通り、ズーレのところで、チャンスがつくれていました。
【後半28:48】
日本代表交代
酒井宏樹OUT → 南野IN
酒井宏樹が恐らく筋肉系のケガで、代わりに南野が入りました。ここで左サイドハーフの伊東純也のポジションに南野が入り、伊東純也は酒井宏樹のいた右ウイングバックにポジションを変えています(三苫は左ウイングバックのままです)。
伊東純也のポリバレント性のお陰で、アクシデント的な戦術変更にも対応できました。ホントに伊東純也がいてよかった。
【後半29:32】堂安ゴール!日本同点 日本 1−1 ドイツ
ゴーール!!
すごいことが起こった!もしかしたら、もしかするかもとは思っていましたが、まさか同点になるとは。皆さんもそう思いましたよね!
ワールドカッブ優勝経験国のドイツ相手に追い付くとは!しかもPKとかではなく流れの中での得点。
本田GMがいった通り、
南野がズーレの周りをコチョコチョしてできたスペースからシュート。こぼれを堂安が決めました。森安監督も同じ作戦を考えていたんでしょう。南野、三笘の動きに迷いがなかったですね。
本田解説を聞くと、今の日本の状態と改善策を監督目線で話してくれるのでわかりやすいですよね。
【後半31:21頃】今後のゲームの進め方について
本田GMが言うように、ドイツと日本は実力差があるのでゲームの考え方が違います。
日本は負けなければOKという考えでもあるので、慎重に行きながら、チャンスがあれば得点を狙いにいく。
ドイツとしては、グループで一番弱いと思われる日本には勝っておかないと後々苦しくなることが予想されるので「勝ちたい」=「得点を積極的に取りに行く 」感じになります。
【後半32:06】三苫のいかし方
三苫は1対1であればほぼ勝ててしまう個を持っているため、三苫に1対1で仕掛けさせたいということですよね。誰かが寄っていくと敵が2人になってしまう。
ドイツも三苫に対してはかなり警戒をしていました。
日本ですが、南野が入ってから5トップのような陣形になりました。一方ドイツは4バックのままで混乱してましたね。森保監督の奇策とも言える強気の采配ズバリでした。
【後半32:38】三苫にいったときに何かが起こる
三苫の個の強さが何かを起こしていることは明らかでした。
吉田麻也はワールドカップ後の内田篤人との対談で、三苫について「サイドで1対1やって、あいつに勝てるやついるの?」と言っています(0’28あたり)。
現在プレミアリーグでも1対1であれば無双してますからね。この試合は三苫が世界中の人に認知された瞬間でもありました。
【後半33:05】
ドイツ代表選手交代
ムシアラ OUT → ゲッツエ IN
ハバーツ OUT → フィルクルク IN
勝ちたいドイツは得点を取るために攻撃的選手を投入します。
フィルクルクはワールドカップの数試合前に初めて召集されて、代表メンバーに入った選手です。歴代のドイツ代表には、いつも点取り屋がいたのですがティモ・ヴェルナー、ロイスというストライカーぽい選手は怪我で不在でした。ザ・ストライカーという選手は、2014年頃まで活躍していたクローゼを最後にいないのかもしれません。
【後半34:38】ドイツ左コーナーキック(キッカー:キミッヒ)
ここもドイツはスクリーンアウトを使って、デュリガーへのマークを外しています。日本はこの試合対応できていないまま終わってしまいました。
【後半35:35】試合の進め方
やはり日本としては、引き分けでもいいので負けない戦い方が必要な状況でした。ですので、まずは守備をしっかりしてカウンターを狙うという戦い方でした。
ですが、思わぬところからチャンスが舞い込みます。
【後半36:38】ドイツ右コーナーキック(キッカー:キミッヒ)
フィルクルクが開けたニアサイドへのボールでしたが、ドイツの選手には合わず日本が難なくクリアできました。ドイツにも少し焦りがあったかもしれません。
【後半37:24】日本フリーキック→浅野ゴール!!! 日本 2−1 ドイツ
遠藤航のうまいファールのもらい方からのフリーキック。板倉がディフェンスライン裏へふわっとしたボールを蹴りました。
このシーン、本来のドイツであればあり得ないオフサイドトラップミスでしたね。
分解すると板倉がキックする直前に次のような動きがありました。
①南野がディフェンスライン裏に走り込もうとすると、ズーレがついていく
→ズーレがついていく分ディフェンスラインが下がる。
②浅野がディフェンスライン裏に走り込もうとすると、デュリガーはオフサイドトラップをかけるため浅野についていかない。
→デュリガーがついていかないため、オフサイドラインはズーレのディフェンスラインとなり、浅野はオフサイドとならない。
1点目、2点目ともに南野のナイスアシストがあったということを見てほしいです。
浅野の神トラップからのシュートもすごかったですが。
それにしてもドイツどうなってるの??って感じでした。
プレッシャーがあったのかな〜
【後半40:00頃】ドイツ右コーナーキック(キッカー:キミッヒ)
高くてフワッとしたボールを入れてきましたが、ドイツの選手には合いませんでした。やはり焦りがちょっと見えます。
【後半41:09】ドイツの攻撃の停滞
そうなんですよね。。ギュンドアン、ミュラーを交代させてしまったのは悪手でした。キミッヒはいるんですが、前半のようなボール回しができなくなってしまいました。
【後半44:10】
ドイツ代表交代
ニャブリ OUT → ムココ IN
ここで、ドイツは代表経験も浅い若いムココを入れてきます。ドイツは本当であればサネというスピードがあるアタッカーがいたのですが、左太もも裏の筋肉断裂の怪我で出場できませんでした。ここも日本代表としては追い風でしたね。
【後半44:34】ナナアフん!?
本田解説の象徴的なフレーズ「ナナアフん!?」はここで誕生しました(笑)
でも、今大会はアディショナルタイムは長かったですね。不透明な部分が多いので、フットサルのようにタイムキーパーがいてインプレー以外は時間が止まるようにルールが変わるんじゃないかと思っちゃいます。
そうすると、ボールキープでの時間稼ぎはできなくなっちゃいますが。
【後半47:20】三苫の守備
三苫はディフェンスも強い。現代サッカーで求められるものを持っている選手であることがわかるシーンでした。
ドイツも得点が必要なのでパワープレーを仕掛けてくるようになりました。本田GMがいう通り、日本にとってはこれが嫌なんですが最初からやってくるヨーロッパのチームっていないですよね。本当にありがたい。
【後半49:23】ゴレツカの決定的シュート
日本にとって嫌なパワープレー。ゴレツカに拾われフリーでシュートを打たれてしまいます。これは入らなくて本当によかった。。
やっぱり、引き分けと勝ちでは雲泥の差がありますからね。
【後半51:14】GKノイヤーが上がってのパワープレー
キミッヒがノイヤーに合わせて蹴ったフリーキック。日本の選手が目の前でクリア。ファーに流れたボールをズーレがシュートしましたが、ヂュエル王遠藤が立ちはだかります。日本はよく集中ができていました。
【後半52:52】ドイツ左コーナーキック(キッカー:キミッヒ)
散々色々言われ続けた森保監督に、「すいませんでした。ありがとう。」と何人の人が言ったでしょう。誰が5トップの攻撃的な布陣にすること、三苫をウイングバックで使うことを想像したでしょうか。
森保監督も考えに考え抜いた決断だったと思います。最高に心地の良い裏切りでした。
それにしても、本田GMの切り替えの速さは、ハッとさせられます。長年日本代表を引っ張ってきただけはあるなと思います。
【試合終了直後】森保監督の采配について
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本田GMの気になる采配というのは、おそらく前半のうちに3バックにする采配をなぜしなかったのかというところだと想像しています。前半で2点、3点入っててもおかしい状況でしたが、個人的には後半の巻き返しに備えての我慢だったのではないかと考えています。交代カードを切らずに3バックにする手もありましたが、前半のうちにその手を見せたら、後半で対策されちゃいますからね。
森保監督の我慢勝ちだと思っています。
【試合終了直後】森保監督インタビュー
本当に森保監督の耳に本田解説が聞こえているんじゃないかと思うぐらいのシンクロぶりです。「一喜一憂」、同じ言葉が出ました。
【試合終了直後】日本代表円陣 森保監督の言葉
ドイツに勝利したことで、チームに一体感が生まれる。改めて初戦の大事さを感じます。初戦を落として立て直すのがいかに難しいか。この後ドイツがグループリーグ敗退となって余計に身に染みましたね。
それにしてもいい円陣でした。
【試合終了直後】本田GMの試合後の感想
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サッカーを最近見始めた方は、ドイツに勝つことの価値がわからないかもしれません。ドイツ代表は1982年スペインワールドカップ、1986年メキシコワールドカップで準優勝。1990年イタリアワールドカップで優勝。2014年ブラジルワールドカップでも優勝。1954年大会から2014年大会までベスト8を逃したことがないという国です。「最後はドイツが勝つ」なんていう言葉がサッカー界にはあったりします。それぐらいサッカー界では強いと言われるドイツからの勝利。これから日本は色々な国に研究される立場になることは間違い無いでしょう。
【試合終了直後】堂安選手インタビュー
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僕は、試合後の選手、監督のインタビューを聞くのが好きです。選手、監督の考えが垣間見えるので。堂安の場合は、ピッチに入る準備段階の話がありました。「俺が決める」「俺しかいない」、いいですよね。これぐらいでないとワールドカップでは得点できないのかもしれないです。
【試合終了直後】本田GMの試合後の感想
本田GMは本当にさすがです。
ここで「この精神的なものをコントロールすることが、今後いま難しいですよね。」というコメント。本当に歴史的勝利で興奮しているので切り替えが難しいです。次のコスタリカ戦への切り替えがうまくいかないんじゃないかと危惧しています。実際、コスタリカには自分たちのミスで負けてしまうわけですが。。
日本代表が次に進むには、ドイツに勝ったぐらいで喜んでいる場合じゃないというマインドが必要ですね。
あ、次は残りの選手インタビューとまとめみたいなものができればと思います。
では、また!
P.S
ワールドカップ優勝を目指すなら、さらに高いマインドが必要ですね。