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人事の問題を考える(やってられるかで転職されてはたまらない)

人事の問題を考える(やってられるかで転職されてはたまらない)

■現場で何が起きているかに無頓着な経営者

先日、「技術部の課長が突然退職すると言ってきて驚いたよ」という話を聞いた。
 有能だったせいもあり、顧客対応などを任せていたのだがいろいろ不満も持っていたようだ。その声を聞く機会を持っていなかったのだろうか。

○ITエンジニアと意思疎通できない経営感覚のズレ
貴重な戦力の離職を招く間違いのポイント
2022/07/22

ITエンジニアではない経営層の人と話をしていると、「開発者が何を考えているのかわからない」という声を多く聞きます。ITエンジニアの担当領域の専門性が高いことに加え、IT技術トレンドの変遷が早いことから、ITエンジニアの特性について難解な印象を抱く人が少なくありません。

https://toyokeizai.net/articles/-/602515

上記の記事はITエンジニアをステレオタイプ的に捉えて、その問題点を指摘しているので全てに当てはまるわけではない。それでも、ITに限らず、専門技術に関わる業務をしていると、仕事の全体像が他社から分かりづらく、理解してもらえないもどかしさはあるかもしれない。

経験的に、「仕事」だけに向き合っているときには我慢できるが「顧客」に対応するときに技術ではなくビジネス(納期やコスト)の話をされると大きなストレスになりがちになる。「やってられるか」といって辞めてしまうリスクがある。

1度辞めると意思決定した人を翻意させることは難しい。手遅れにならないうちに社員の悩みを把握しておく必要がある。それは経営者の仕事である。

■思いのほか、給与の文句も多いかもしれない

○「折角育てたのに」と会社は嘆くばかりで離職の本質を見ようとしない
2022/08/02

「会社は、新卒入社した子達が退職したことを、重く受け止めていない。原因を追求して、改善しない限り、同じことを繰り返すだろう」
私や同僚も「給料が少ない」と不満を抱いていた。私の場合は、一般職で入社したから低収入なのか、と半ば諦めていた。だが、人によっては、退職する第一の理由に値する要因だと知った。

https://mirror.asahi.com/article/14673791

昨年は「ジョブ型雇用」の話が多く、仕事と報酬を正当な対応をしなければ人材が獲得できないという文脈で、報酬が語られることが多かった。その流れで初任給を上げるという話も話題として取り上げられた。今年は一転「最低賃金」の話題が多く、仕事に関わりなく一律に賃金をあげるという、よく分からない議論になっている。一貫性が見られない。

とはいえ、報酬というモノは仕事を進める上での重要要因になりうる。
個人的には、高い報酬はモチベーションアップの要因にはならないが、低い給与は離職のリスクを高めると考えている。もちろん、会社の魅力を高めたりやりがいのある仕事を追求することも大事であるが、賃金水準にも配慮しなければならない。

■対話の環境

社員はどんなことに悩んでいるのだろう。という関心を社長が持たない限り、予期せぬ離職はなくならない。自分自身が最初の会社を辞めるときに、話しかけてきたのは、年の近い先輩だけだった。あのとき、社長が出てきていたらどうなっていただろう。

社長に話しかけるなどと言うことは中々難しい。なので、社長から歩み寄らなければ社員の声など分からない。社員満足度調査だけでは十分ではない。何年もかけて社員とのランチをクリアエス社長もいる。一方で、自社ビルの最上階に居を構え専用のエレベーターでしか行けない。そんな状況で「社員の声を聞きたい」という妄想を奏でる社長もいる。

真剣に社員に向き合っているのかを自身に問いかけてもらいたい・

<閑話休題>

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