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なぜ「しかる」しかできないのか(考えないマネージャー)

■怒鳴る、怒る、しかる

 実は、相手を威嚇して優位に立ち、自分の思うように廻りを動かそうとした人に会ったことがある。滅多に見たことがないので新鮮であり、どうするのだろうと眺めていたら、思うように皆が動かないので、「やってられるか!」といってフェードアウトした。

 幸い、そんな人がいなくても活動は止らないので問題も無く(厳密にはないわけではないのだが)事なきを得た、しかし、こんな人が企業にいたら「パワハラ問題」や「職場の混乱」を招きかねないので、人柄を見極めることも人事部門の責任だろう。

 ただし、そうした立場(権限をもつ役職)にならないと発露しないこともあり悩ましい所だろう。管理職から退場させるためのメカニズムを持っていて欲しい。

 一時期、「部下を叱るマネジメント」というのが話題になった気がするが最近は聞かないし、インターネットで検索しても出てこない。明らかに「ダメでしょう」というアプローチなので当然のように消えて無くなった気がする。

■常識を疑う

 しばらく前から、高校や大学のスポーツ指導者のパワハラなども問題になっていたが、抜本的な解決にはなっていないし、そうした事への対処も簡単にはできないのだろうと諦めていた。反省である。

 下記の記事を見て、素直に凄いなと思った。

○高校野球で脱「勝利至上主義」のリーグが広がる訳
甲子園と異なる価値観で運営「Liga Agresiva」
2021/06/27
https://toyokeizai.net/articles/-/436889

アンチ「甲子園」という色彩があり、たまk図制限などいくつかの特徴があるのだが、下記は考えさせられる。

3.指導者の学び
ルールや用具面の考え方以上に重要なのは、リーグに参加する選手、指導者が「学ぶ」という3つ目の柱だ。「リーグ戦を行う意義」や「スポーツマンシップ」などのセミナーを受講するのだ。

こうしたことは下記の様な指導者の言葉にも反映される。

リーグ戦のメリットは、トーナメント戦に起因する勝利至上主義が唯一絶対の価値観ではないことを、指導者、部員、保護者、OBなど野球部に関わるすべての人々が実感できることです。指導者も部員も、同県内の他校が『敵』ではなく『仲間』であると感じられるでしょう。リーグ戦参加に際しては、こうした意義を部内で共有すること、同じ志、意識を持つ仲間とリーグ戦を形成することが必要だと思います。

■マネージャーの人格的要件

 野球という世界はかつては子供たちの憧れだったのかもしれないが、多様なスポーツの選択肢が広がっている中で、やらせる云う価値観から脱却しないといけないのだろう。

○元プロ右腕が高校未勝利だった理由 怒鳴る指導者が「成長妨げる」球界の遅れ危惧
2022.12.20
https://full-count.jp/2022/12/20/post1319110/

2020年まで7年間オリックスでプレーした東明大貴氏は自身の経験から「指導者から怒られる恐怖心が成長を妨げる。まずは(野球が)大好きな状態でグラウンドに立つことが必要」と、未来ある子どもたちにアドバイスを送る。

という、この短文は示唆に富んでいる。

指導者に求められるのは「成果を出す」事ではない。
では何かと問われれば、それは中々難しい。自身の経験では、部下が働きやすいように環境を整えてくれるだろうか?

そうした指導者に共通するのは、「公平性」「確かな価値観」「専門性」だろうか。
すくなくとも「出世」という概念で管理されるべきものではない。

(その他の参考記事)
〇なぜこの10年で高校野球部の半数が消えたのか…野球離れを悪化させた「甲子園を目指す野球」の罪深さ
高校球児の悔し涙をカネにする最悪の構図
2022/12/18
https://president.jp/articles/-/64454

<閑話休題>

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