マガジンのカバー画像

ミズグルマ 勇者編

34
ジャンル: 小説 SF(ただしサイエンスファンタジー) 舞台をハイファンタジーにとったSFなので読者を選ぶと思います。読みやすさには留意したつもりなので、お暇なら手に取ってみて…
運営しているクリエイター

#エルフ

水車 第三章 第1話

 王都は、なんか久し振りって感じ。新型艦や二番艦の改装の設計に付き合ったり、元勇者軍のうち空軍に配属になった連中の訓練みたりしてて、気が付いたらもう春だし。で、取り合えず属国になっている元勇者軍兵士達の故郷を取り戻そうじゃないか大作戦の打ち合わせ、作戦会議とも言う、に来た。
「少将に任ず」はい?長官に挨拶にいったら、任命書らしき紙切れと階級章を渡された。
「今後は将官自身、自らでの戦闘行為は慎むよ

もっとみる

水車 第二章 第8話

 「おちねぇ!」前席の射手が叫ぶ。これこれ、司令が乗ってるんだから敬語使おうよ。なんか、クルー仲間だと思われてる節あるなぁ。身体を捻って前方を見る。肩ベルトが邪魔だ、緩める、ありゃ片っぽ外れた、ま、いいや腰ベルト締まってるし落ちることは無いだろう。…落ちないよね?
 射手の狙いは正確でほぼ命中している様だ。タンクに穴を開けたと思しき証拠の白煙も数条見える。しかし、付与によって開く筈の大きな破口が見

もっとみる