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【読書感想文】40年間お待たせしました! - 『生理用品の社会史』田中ひかる(著)
一人の女性が一生の間に経験する生理の回数は、現在約450回なのに対し、明治時代までは50回ほどだったんだとか。
なんと9倍の違い!
年に一度あるかないかのレアイベントなら、女性たち自身も恐ろしかっただろうし、社会全体が生理を穢れ扱いしたのも納得だ。
それが近代化の中で、毎月やってくるものへと変わっていったのだから、旧来の穢れイメージも相まって大変だったはず。
実際、『女工哀史』の引用や語り部たちのエピソードから、当時の苦しさが伝わってくる。
生理帯は外に干すようなものじゃないから、押し入れで乾かしたという話は実に切ない。
そういう背景を踏まえると、アンネナプキンの登場がいかに革命的であったかがよくわかる。
「40年間お待たせしました!」
この有名なキャッチフレーズは、使い捨てナプキンの国内販売がアメリカに40年遅れたことを意味するだけでなく、相当に頼もしいメッセージ性を含んでいたに違いない。
そして、そのアンネナプキンがどういう経緯で消滅してしまうのか。また、ユニチャームなど、他の会社がどのように台頭していくのか。
布ナプキンや月経カップ、吸引法など様々な生理用品が紹介されていて、性別を問わず必見の内容が満載だった。
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