【ショートショート】寿命投資 (2,966文字)
「98番でお待ちの方ー」
銀行員の洋子は受付で、次から次へと客をさばきまくっていた。まもなく15時になろうとしていたが、未だ、待合スペースにはたくさんの人がいて、わかりやすく貧乏ゆすりをしていた。
みんな、予定があるのだろう。でも、こっちだって朝からずっと働いているのだ。イライラするのはお互い様。つい、洋子は営業スマイルを崩してしまいそうになる。
最近、なぜか、行員に不幸が続いていた。事故や病気で入院し、亡くなる人もけっこういた。そのため、人手不足はピークに達し、