見出し画像

性的な問題行動に対する心理学的アプローチ

こんにちは、心理士のなべたです。

性的な問題行動は、個人や社会にとって深刻な影響を及ぼします。
それは、誤解と偏見によってさらに悪化することがあります。

この記事では、その概要を理解し、健全で社会的に適切な代替行動を見つけるための提案を説明します。

新たな視点でこの問題を一緒に考えてみましょう。

参考にした書籍はこちらです。


性的な問題行動とは

性的な問題行動ときくと、痴漢や盗撮、覗き、強姦などの犯罪を思い浮かべるかもしれません。
また、不倫や浮気、風俗通い、不特定多数との性的な関係など、犯罪ではないですが問題視される行為も含まれます。

多くの人は、これらの問題の原因を性的な欲求の強さにのみ求めていると考えます。

もちろん、性的な問題行動である以上は、性的欲求とはまったく関係ないとは言いませんが、支配欲を満たすこと、ストレス解消、スリルを楽しむこと、安心感や達成感、優越感得ること、復讐やあてつけ、さらには親切といった、性的欲求以外の理由で行なわれることも多いのです。

性的な問題行動を変えためには、その行動がもたらしていた体験と同じような体験をもたらし得る代わりの行動に置き換えることが効果的だとわかっています。

「反省」はブレーキにならない

多くの場合、問題が発覚してから、病院に受診するとき、弁護士や家族などの周囲の人の勧めで半ば強制的に来院に至っています。

そういった場合、ほとんどの人は「許されないことをしたから、反省しないと」と強く感じながら治療を受けています。
「悪いことをしたから罰を受けるべきだ」と自分を責める気持ちで、問題の行動を我慢している状態です。

捕歴がある場合には、逮捕されてからしばらくの間は、逮捕という体験がブレーキとしての役割を果たすことが多いものの、時間が経つにつれて反省の気持ちが薄れ、結局また同じ過ちを犯してしまうことが珍しくありません。

風俗通いの場合も、家族から叱られ続けると、その反省の気持ちは続くかもしれませんが、叱られること自体が辛くなり、結局はまた風俗に逃げ込んでしまいがちです。

結局のところ、ただ「反省している」というだけでは、性的な問題行動を止めることは難しいのです。

代わりの行動を考える

「反省」という気持ちが薄れてきたときに、それを支える新しい手段として、別の行動を身につけることが助けになります。

代わりの行動を見つけるときは、性的な問題行動が起こる具体的な状況に限らず、日常生活全体で新しい行動を取り入れることが大切です。

例えば、電車内で性的な問題行動をしていた場合、電車のなかでできる行動に限られてしまいます。
そこで、現実逃避として性的な問題行動を行なっていた場合は、自分が没入できる趣味が代わりの行動となるかもしれません。

性的な問題行動で得ていた体験をその他の場面で充足することで、問題行動を必要としない生活を目指していきます。

代わりの行動を必要としない生活

「代わりとなる体験がなければならない」から「代わりとなる体験がなくてもよい」という選択肢を加えた展開にしていくことも大切です。

性的な問題行動の体験とは異なる、その他の心地よい体験を積み重ねることを通して、望ましい行動を維持できる新たな体験を拡大していくのです。

また、もし性的な問題行動が嫌なことから逃れるための手段だった場合は、その嫌な事態を解決しようと努めることが求められます。

被害者への償いを否定してよいわけではないですが、本人が満足感を得られる多様な行動に取り組むことができると性的な問題行動をしなくてもよい生活を送れるようになるのです。


この記事が気に入ったら、スキ、フォローお願いします。

この記事が参加している募集

推薦図書

QOLあげてみた

最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。 この記事が少しでもあなたの役に立てたのなら、ぜひサポートしてください!