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佐久穂町役場と地域活動支援センター『陽だまりの家』へおとずれて。

先日、佐久穂町の役場と障がい者福祉施設(地域支援活動センター)に訪れてみた。

下記の記事を拝見して、『障がいのある方が地域との関わる機会を増やしていきたい。』というミッションが、私の頭の中で飽和状態に渦巻いている取り組みたい事に近いものを感じたのだ。

記事の内容は『地域おこし協力隊募集』のため、佐久穂町に移住することが条件なので、条件を満たせず応募することはできないのだが、(話しだけでも伺いたい!)と、中部横断自動車道を駆け抜けて現地へ行ってしまったのだった。

きっかけとなった記事はこちら↓


・佐久穂町役場に偶然訪れた旅人。

勢い込んできたものの、例によって「ここの部分について、是非ご意見を伺いたい。」や「ここのここはこうなのですか。」など、話したいこと聞きたい事を特に想定していなかったため、町役場に到着して少しの間は地域のパンフレットをじーっと眺めている、偶然ここへ訪れた旅人みたいな感じになってしまった。

しかし、なにかに突き動かされてここまできたのも事実!
迷っていても仕方ない、とにかくトライしてみよう!と健康福祉課の窓口へと向かった。

窓口にて、「こんにちは。地域おこし協力隊募集の記事を拝見させて頂き、関心があったため突然訪れてしまったのですが、担当のK林さんはいらっしゃいますか?」とたずねると、なんと…K林さんはお休みだった。

教訓①:誰かに会いに行くときは、事前に連絡(アポイントメント)をとりましょう。

ならば、記事内に出てきたけれども所在地が不明だった、「地域活動支援センター・陽だまりの家」へ行こう!っと思い、窓口で担当者の方に行き方を教わって町役場を後にした。

丁寧なご対応をありがとうございました。

話の途中で、窓口の方より「NPOなどで活動している方ですか?」と尋ねられたので、「いえ、ただの一市民にすぎない、ただの人です。」と答えた。

はたして、この返答はかっこよかったのだろうか…家に帰ってから気になってしまって、夜も眠れない。のだろうなと思ったら、思いのほか安眠だった。

スヤスヤ。

・佐久穂町障がい福祉施設「陽だまりの家」へ、ひた走る!

結局、GoogleMapにも載っていない「地域活動支援センター」は、佐久穂町役場からは車で5分~10分位の「八千穂福祉センター」の近くにあった。

『おぉ、ここかー。』と施設の駐車場に車を止めていると、中で職員さんらしき人が玄関へ動いてくる姿が見えた。

まずい…もう気付かれたか、できれば悟られる前にやりたかったが仕方がない…(なにをだ)私は、覚悟を決めて門を叩いた。

「こんにちはー!」

自分でも、錦鯉かと思うほど元気よく挨拶をかわして、かくかくしかじかで訪れさせて頂いたのですが…っと事情を説明すると、

「今日は利用者の方も1名だけですが、中へどうぞ。」と快く受け入れてくれた。

検温と消毒を行っている間にも「今はどこかのNPO団体で活動しているんですか?」と聞かれたので、(もしかしたら、個人的に訪れたらまずい施設なのかも知れない。)と思い、念のため『いえ、ただの個人なんです。しかも別の地域の。ただの個人で突然訪れてしまって、本当に大丈夫ですか?』と、確認すると「全然大丈夫ですよ。」っと再び、快く?承諾を頂いた。

・地域活動支援センターとは


陽だまりの家・ご案内パンフレット

ここで、あまり耳馴染みのない「地域活動支援センター」について簡単に説明をさせて頂きたい。

正直、私自身もどんな役割を持った施設なのか全然知らなかった。

【地域活動支援センター】
安心して日中を過ごす事のできる場として、地域活動支援センターがあります。創作活動などのメニューや自分の好きな活動に取り組むことができ、自身のペースで自由に利用することができます。
地域活動支援センターを経て、就労継続支援B型等の利用に移行する方もいます。
(佐久穂町障がい者福祉施設 陽だまりの家・ご案内パンフレットより)

また、【障害者総合支援法】という法律に基づき、国の【地域生活支援事業】のひとつとして、障がいのある人が自分が興味のある活動(創作・生産活動)を行える、また社会とのかかわり(交流促進)の場としてサービスを提供する支援機関です。

ここ「陽だまりの家」では、社会福祉法人:JA長野会が母体となり、地域活動支援センターのほかに【相談支援事業所・放課後等デイサービス】の役割も担っており、別の事業所では【生活介護・就労継続支援B型】の支援事業も行っている。

いずれの場合も、サービスを利用するためには受給者証の取得や申込み手続きが必要となる。

詳しくは上記のワードをググっとしてみて下さい。

・地域おこし協力隊:M谷さん

この日、出迎えてくれたのは施設職員の方が2名。
内、一名は佐久穂町の先輩地域おこし協力隊員として記事にも登場したM谷さんだった。

(やったー!なにか面白い視点の話が聞けるかもしれない。)と考えた私は、心の中でガッツポーズをした。

案内された部屋には、年配の女性の方が"かご"のようなものを作っていた。「こんにちは、お邪魔しますー。」と会釈しながら中へ入ると、女性の方も会釈であいさつを返してくれた。

そして、佐久穂町福祉施設職員の方と別の市町村のただの2児の父による【真剣!福祉と地域の関りについての大人のしゃべり場!】が1時間を超える内容で展開されたのである。

◇本題【真剣!福祉と地域の関りについての大人のしゃべり場!】

あらためて断っておくが、私は現在なにかの団体に所属して支援活動を行っているわけでは無い、ただの2児の父にしか過ぎない個の存在だ。

今回、そんな個の存在でしかない私と貴重な時間を割いて話してくれた職員の方々にあらためて深く感謝を述べたい。

本当にありがとうございました!

① 『地域活動支援センター』が利用者以外に認知されていない。

これには深く同意した。私も今回調べる際に、自分の住む地域にも同支援センターがあることを初めて知ったのだ。

しかしこれは、例えば、ゴルフを一切やらない人が自分の街のどこにゴルフショップがあって、自宅から一番近いゴルフ場がなんという名前なのかを知らないのと一緒で、人間は自分に関係がない、興味がないことについて知らないのは至極当然のことなのである。

なので、障がい福祉施設と関わりのない地域の人(社会)といかにかかわりを増やすかが課題となっている。

国のお達しによって、障がいのある人と社会のかかわりの場として設置された「地域支援活動センター」も、基本的には職員と利用者(または家族)の範囲でしか、かかわりが生まれていないのが現状のようだ。

障がい者福祉に関わらず、今そのことに興味が無い人の関心を集めるということはとても難しいことだ。(ノウハウを知っている人なら簡単な事なのかも知れないが。)

私も会社員を辞めてからなにか動き続けなくてはと、それまでほぼやった事のなかったTwitterやInstagramのSNS、ワードプレスでブログを作成して発信することを行ってきて、人の関心を集める難しさは身をもって知った。

また、陽だまりの家のケースのように運営母体がJA長野会であることや地域活動支援センター自体が各自治体からの請負で行われていることが多いことから、何かをしようにも【失敗や問題をおこさないように、変わった事をやらないように。】と動くのにも腰が重くなりがちだという問題もあるようだ。

② 障がい者の就労「就労継続支援事業所」について。

陽だまりの家では、就労継続支援B型という支援事業を行っている。

通称『B型事業所』とも呼ばれる施設の内容はこちら↓

障がいのある方が、雇用契約を結ばずに生産的活動などの就労訓練を行える就労支援サービスまたは事業所のことである。
雇用契約を結ばないので、賃金という形で報酬が発生せずに作業を行った分の工賃が支払われることになる。

イメージ的には、作業所で内職を行っているというのが近いだろうか。

同じようなサービスでA型事業所と呼ばれるものもある、こちらも就労の訓練施設なのだが、雇用契約を結ぶ点が大きな違いとなっている。(雇用契約を結ばずにA型を利用できるケースもあるらしい。)

就労継続支援と似たような名前の就労移行支援というものもある。

こちらは事業所で就労訓練を行いながら、一般企業に就職するためのサポート施設なので、目的や支援内容が異なり利用期間も基本2年間と決められている。

◎就労継続支援事業所・・・事業所で継続的に働く訓練を積むことが目的。
◎就労移行支援事業所・・・事業所で訓練を受けながら、一般企業に就職することが目的。

こちらも、興味のある方はググっとしてみて下さい。

なにはともあれ、陽だまりの丘で行われている就労継続支援B型事業所の全国平均工賃は(令和元年度実績)月額16,369円、時間額にして223円である。

ちなみに、1月のわが家の電気代は60,000円を超えていた。
用紙を見て泣きそうになった。いや、ちょっと泣いた。

ここに障害年金を受け取りながらといっても、

◎障害基礎年金の場合
 ・障害等級1級  月額81,020円
 ・障害等級2級  月額64,816円

と、両方あわせても自立して生活できる金額にはほど遠いものがある。

はたして現在事業所を利用している人たちはどのように生活しているのだろうか、今度実際に会って話しを伺ってみたいと思う。

また、現在陽だまりの家・B型事業所で行っている作業のすべてが各企業からの請負に依存している為、(自ら作り出して販売などはしていない。)その部分についても、もしも突然企業とのつながりが切れてしまったらと考えると、このままで良いのかと懸念をしていた。

③ 障がい者の就労「障がい者雇用枠」について。

こちらは私の友だちや知り合いの親族の話なのだが、一般の企業に『障がい者雇用枠』で就職した場合。

国からは『障がいのある方を雇用しましょう。』とお達しが出ているために雇用の枠を確保はしてあるものの、実際の労働現場で十分な対応ができているかどうかは疑問なところである。

会社の考え方や取組み具合、現場にいる人などの環境に左右される所はあるだろうが、少なくとも話に聞いている限りでは転々と職場を移動しては、当人は自信を失っているのが現実のようだ。

④ 社会の中の子育て、家庭での孤育てについて。

私もM谷さんも子どもの発達に偏りがあり、放課後等デイサービスや児童発達支援事業所にて、療育などの支援を受けていた共通点があった。

そして、地方では祖父母と同居または、距離の近い生活を送っていることが多いこともあり、いまだに障がいという言葉への知識や理解が進んでおらず、(発達・知的などの)障がい児(者)についての偏見が残っている現実があるようだった。

そのため、この現代社会になっても母親が家庭内において発達に偏りのある子どもと孤立した状況、いわゆる‟孤育て状態”になってしまうケースがあるというのだから笑えない。

<発達・精神・知的障がい>という言葉は、医師の診断や専門的な支援方法を考える(受ける)際には必要な言葉かもしれないが、社会で生きていく上で、特に関わりの薄い人たちとの間には、かえって壁を生んでしまう言葉かもしれない。

そして、本質的な問題を見失ってしまう言葉でもあるのではと考えている。

なにか問題や困った事態が起こった際に、「知的障がいがあるから。」「ASDだから。」「ADHDだから。」とひとくくりにまとめてしまっては解決の方法が見えなくなってしまう気がする。

実際に障がい児と診断されている子どもたちとも、されていない子どもたちとも関わったり話を聞いていても、みんな困りごとや得意な事、苦手な事、課題などはバラバラだ。

正直、わが子を含めて、どのご家庭のお子さんも「かわいい。」

結論はこの一言に落ち着く。(もちろんそれも一面に過ぎないが。)

そして、障がいのある・なしに関わらずにお母さん(またはお父さん)たちは困っている。

障がいのあるなしという観点で、どっちが大変だー!っと対立するのはなんか違和感がある。(そこまで、追い詰められている事実があるのもあるのだと思う。)

子育て自体が大変な仕事なのである。

そして、その各々の大変さは当事者にしかわからないものだから、誰かと比べたり、周りが一部の見た目だけで大変そう、楽そうと決めるのもおかしな話だ。

とにかく、みんなえらい!という前提で考えていきたい。

少し話のテーマが脱線+ふくらみつつあり、収集が付かなくなってきているが、私のようなぱっぱらぴーの保護者の立場からすると、単純に線引きして考えることがあまり自分の性に合わないので、本当の意味で共生社会が進んでいって、将来的にはそういう言葉自体が使われなくなるといいなぁ。と考えている。

疲れたのでまとめ

ここまで一気に書き出して、少し疲れてしまった。

昨日インプットしたことを要点良くアウトプットしようと思い書き始めたのだが、ゆうに5000文字を超えてしまった。

はたして、だれがこんな長文を読むのだろうか。

まぁ、ひとまず自分の頭の中身がすこし整理できただけでも良しとしよう◎

とにかく、今回は佐久穂町と読んでいただいた方にありがとうと伝えたい。

そして、少し休んだら、次回は今後取り組みたいことを一回まとめたいと思う。

さようならー。

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